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損保協会、舩曵新会長が協会長ステートメントを発表

損保協会は、舩曵真一郎氏が協会会長就任にあたり、協会長ステートメントを発表した。
1.はじめに
損害保険業界は、保険料調整行為事案と保険金不正請求事案及び情報漏えい事案といった一連の不祥事によって、お客さまと社会からの信頼を大きく損ねた。関係者の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をお掛けしていることを、あらためて深くお詫び申し上げます。
当業界がお客さまと社会からの信頼を取り戻すために、旧来の業界慣行を抜本的に見直すとともに、コンプライアンスと顧客保護をあらゆる活動の根幹に据えて、「顧客本位の業務運営の徹底」と「健全な競争環境の実現」に全力で取り組む。
当協会においても、昨年来、金融庁主催の「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」(以下「有識者会議」)や金融審議会「損害保険業等に関する制度等ワーキング・グループ」(以下「ワーキング・グループ」)の議論等を踏まえて、多岐にわたる課題の解決策を検討し、ガイドラインの策定や代理店業務品質評価制度の構築などに取り組んできた。これからの1年では、そのバトンを受け継ぐとともに、フォローアップなどを通じて各種施策の実効性を高めていくことで、当業界の変化を目に見えるかたちで実感いただけるよう尽力する。
先月末には保険業法の一部を改正する法律が成立し、「保険会社向けの総合的な監督指針」(以下「監督指針」)も改正される見込みである。当業界はこの機会に保険業法の目的に立ち返り、保険契約者等の保護を第一に考え、国民生活の安定と国民経済の発展に貢献する使命があることを改めて強く認識し、全会員会社がその役割を全うできるよう、協会長として前面に立ち、真摯に取り組んでいく。
【具体的な取組】
(1)お客さまと社会からの信頼回復に向けた取組
①保険代理店の募集品質向上に資する取組
ア.代理店業務品質に関する第三者評価制度の立ち上げ
イ.代理店資格制度の再構築
②企業におけるリスクマネジメント意識向上取組
③比較推奨販売等の制度改正に関する対応
(2)重点目標に関する取組
①損保業界の成長を支えるビジネス基盤の整備
②社会・保険制度のレジリエンス強化
ア.地震保険損害査定体制の再整備
イ.保険金不正請求・消費者被害の防止
③消費者・事業者へのリスクマネジメントの理解浸透
4.おわりに
日本損害保険協会は、事業の目的を「わが国における損害保険業の健全な発展及び信頼性の向上を図り、もって安心かつ安全な社会の形成に寄与すること」と定めている。
変化が激しく予測が困難な時代において、持続可能な社会の実現に向けて当業界が果たす役割と責任は、より一層大きくなっていくものと考えています。その役割と責任を果たすには、1日でも早く、一連の不適切事案で失った信頼を取り戻さなければならない。
損害保険は、安心で安全な社会の実現に欠くことのできない社会のインフラであり、損害保険に携わる全員がその誇りをもって、お客さまや社会に対する役割と使命を果たしていけるよう尽力する。
皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いします。
以上

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