あいおいニッセイ同和損保、中古EVバッテリーの二次流通促進に向け、MIRAI-LABOと資本業務提携契約を締結
あいおいニッセイ同和損保と、バッテリーの診断や中古バッテリーを活用したソリューション開発等を手掛けるMIRAI-LABO株式会社(以下「ミライラボ」)は、5月1日に資本業務提携契約を締結した。
1.背景
電気自動車(以下「EV」)の普及に伴い、EVバッテリーの廃棄量の急増が見込まれており、廃棄による環境汚染やレアメタルの資源不足など、様々な社会課題の顕在化が想定されている。そのため、バッテリー廃棄による環境負荷を軽減し、資源の効率的な利用を促進するため、中古EVバッテリーの最適なリユース・リセール・リサイクル等による有効活用が求められている。
あいおいニッセイ同和損保は、テレマティクス自動車保険を通じて、車両の走行データの分析ノウハウを保有しており、EV専門レンタカーサービスなどの提供を行うUFO Drive SAと資本業務提携※1を行うなど、EV関連のビッグデータ取得およびEV向け商品・サービスの開発にも取り組んでいる。
また、ミライラボは、中古バッテリーの診断および再生、リセールに関する先進的な技術・知的財産を保有しており、バッテリーに関するサーキュラーエコノミー※2の構築を目指している。
今般、両社の強み・リソースを統合し、中古EVバッテリーの供給・診断および再生・二次流通を循環させる仕組みを構築することにより、中古バッテリーの最適な二次流通を促進し、バッテリーに関する様々な社会課題の解決を目指す。
※1 EV専用レンタカー事業や法人向け車両管理サービスを展開するUFO Drive社と資本業務提携契約を締結
※2 製品、素材、資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小化する経済システム
2.資本業務提携の内容
(1)両社の取り組み
中古EVバッテリーの「診断・再生」「販売」「利用促進」などのフェーズで、以下取り組みを実施する。
フェーズ:①診断・再生
取り組み:全損EVバッテリーの二次流通(25年5月実証開始)
検討中の内容:
・あいおいニッセイ同和損保のEVを対象とした自動車保険契約において、全損となった車両のバッテリーをミライラボに供給
・モジュール(組電池)単位で破損および劣化度等を診断し、モジュールを組み替えることで再生バッテリーを製造
フェーズ:②販売
取り組み:再生バッテリーを活用した製品を中心としたミライラボ製品の販売
検討中の内容:
・あいおいニッセイ同和損保の取引先や連携協定締結済の地方公共団体へ、再生バッテリーを組み込んだミライラボ再エネソリューションを中心としたミライラボ製品※3を販売
フェーズ:③利用促進
取り組み:再生バッテリーの保証保険の組成
検討中の内容:
・ミライラボによって診断・再生されたバッテリーを対象とした保証保険をあいおいニッセイ同和損保が組成・引受
フェーズ:その他
取り組み:効率的なバッテリー診断に向けたR&D(25年5月研究開始)
検討中の内容:
・あいおいニッセイ同和損保がテレマティクス技術で取得する「事故発生時の衝撃度」とミライラボの診断によるバッテリー破損結果データを突合し、衝撃度とバッテリー破損状態の相関性を検証・検証結果を活用し、事故車バッテリー診断の効率化を目指す
取り組み:カーボンクレジットの創出
検討中の内容:
・中古バッテリーを活用した再生バッテリーの製造により、新品バッテリーを製造した場合と比較して削減されたCO2排出量からカーボンクレジットを創出
※3 自律型ソーラー街路灯THE REBORN LIGHT smart、リフィルバッテリー式発電機G-CROSS、充電式特殊LED投光器X-teraso、太陽光路面発電パネルSolar Mobiway等
(2)出資について
出資完了日 2025年4月30日
出資の概要 ミライラボが第三者割当増資により発行する株式をあいおいニッセイ同和損保が取得
3.今後の展開
あいおいニッセイ同和損保とミライラボは、資本業務提携契約を通じた取り組みを着実に進展させるとともに、寿命を迎えリユース・リセールが困難なバッテリーについても、リサイクルによる適切な資源化を図り、希少な金属や材料を再利用することで、一層の環境負荷軽減に貢献する。
また、全損認定となったEVバッテリーの活用にとどまらず、EVバッテリー自体の価値向上に資するサービスを両社で検討していく。