損保協会、修理工賃単価に関する対話・協議のあり方にかかる ガイドラインを策定
損保協会は、損害保険会社による車体整備事業者との修理工賃単価に関する対話・協議の参考となるよう、「修理工賃単価に関する対話・協議のあり方にかかるガイドライン」を作成した。
1.概要
損害保険会社が修理工賃単価に関する車体整備事業者との適切な協議を実施するにあたっては、お客さまの目線を第一に、引き続き公平・適正な保険金支払いを行うことを意識しつつ、あわせて車体整備事業者との間でも、その時々の社会環境や車体整備事業者の実態を踏まえた丁寧な対話が求められることから、この対話・協議を行うにあたり必要な考え方をまとめた。
なお、策定にあたっては、金融庁、国土交通省に寄せられている車体整備事業者の声や、公正取引委員会が公表する「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の趣旨・要素を参考にしている。
2.今後の対応
同協会は、本ガイドライン掲載の考え方に基づき、車体整備事業者に対する保険金の直接支払いにあたり丁寧なコミュニケーションを行うよう、促していく。
■修理工賃単価に関する対話・協議のあり方にかかるガイドライン
●考え方
(1)対話・協議方針の決定
修理工賃単価にかかる自社の対応方針を経営陣の関与の下で決定し、決定内容を社内に周知する。
(2)協議を求められた場合の対応
車体整備事業者から修理工賃単価にかかる協議を求められた場合には対話を行い、協議を求められたことのみを理由として不利益な取扱いをしない。
(3)協議時の丁寧な対話
車体整備事業者との協議にあたり、提示を受けた資料や説明の内容を丁寧に確認しつつ、自社としての見解を説明する。
(4)協議にかかる情報収集
平素の情報収集や車体整備事業者との対話を通じて、車体整備事業者の置かれている状況の把握に努め、自社内で収集した情報を共有する。
(5)対話・協議の前提となる関係性の構築
修理工賃単価にかかる対話・協議を行うにあたっては、お客さま、損害保険会社、車体整備事業者の関係性を正確に理解したうえで良好な関係を構築することが前提となることから、会員会社においては、日々の事故車修理にかかる車体整備事業者とのやり取りにおいて、損害保険会社の立場や自社の見解について丁寧に説明を行う。