アニコムホールディングス、ペットと飼い主の健康共生寿命延伸を目指して獣医療におけるリアルワールドデータの活用促進へ
アニコムホールディングス(以下アニコム)と、健康な社会の実現を目指すシミックホールディングス株式会社(以下シミック)とアニマルヘルスケア領域の事業を展開するグループ会社であるanimo株式会社(以下animo)は、ペットと飼い主の健康共生寿命*2延伸を目指して以下の協業について基本合意した(以下本合意)。
① 獣医療界の適切な情報連携およびリアルワールドデータ(以下RWD)活用促進を目的としたシステム連携
② ①で構築したプラットフォームを活用した製薬およびフードメーカー等に対する新たなサービスの開発・提供
*1 シェアは、各社の2023年の契約件数から算出。(株)富士経済発行「2024年ペット関連市場マーケティング総覧」調査
*2 健康共生寿命:animoでの造語。人(飼い主)とペットが共に健康上の問題で日常生活が制限されることなく共に生活できる期間を指す。
■本合意の背景
現代の日本においては犬と猫の飼育頭数が15歳未満のこどもの数を上回り、また家族の一員として完全室内での飼育が増えるなどにより犬や猫の平均寿命は延伸を続けている。そのため、ペットもヒトのように疾患の多様化、専門性が進み、“ヒト医療と獣医療の連携”・“動物病院間、動物病院-飼い主間の情報連携”が求められている。ヒト医療においてはPHR(Personal Health Record)の利活用およびEHR(Electric Health Record)/EMR(Electric Medical Record)との連携に関する議論が開始されて久しく、患者-病院間の情報連携およびPHRデータを活用した個別医療の最適化(Precision Medicine)への検討が活発に進んでいる。
獣医療の現環境ではPHR-EHR/EMR連携が今はまだ取りやすい環境であり、且つヒトと違って言葉を話さないペットを対象とする獣医療の環境下では、多様なデータを活用した治療成績の分析や治療方針の判断を実施する重要性はより高いと想定される。
シミックグループのヒト医療における多数の医薬品開発および製薬会社等に対するサービス提供の実績・ノウハウと、アニコムグループの国内最大のペット保険事業に加え全国の動物病院の約25%に普及している「アニレセクラウド」を含むペット業界におけるノウハウとのシナジーにより、animalPHR-EHR/EMR連携による診療体験の向上、RWDの活用および製薬メーカー等へのサービス開発・提供により獣医療の発展に貢献したいとの想いから、本合意に至った。
■今後の展望
近年、動物からヒトへ、ヒトから動物へ伝播する感染症(人獣共通感染症)は、全感染症の約半数を占め、医師や獣医師はそのリスクに直面している。この問題に対し、ヒト、動物、環境の衛生に関わる専門家が協力するOneHealth(ワンヘルス)という考え方が世界的に広まっている。WHOや厚生労働省においてもOneHealthの普及と分野間の連携を推進している。
このOneHealthの考えを基に、ヒト医療と獣医療の垣根を超えてそれぞれの成功体験を相互に取り入れつつ、情報管理および相互の情報連携による利活用の高度化により革新的な医療・ヘルスケアサービスを開発していく必要があると考えている。今回の協業では、ヒト医療への応用や自然発症モデルによるトランスレーショナルリサーチの実現も視野に入れ、ヒト医療と獣医療の更なる連携を目指す。