東京海上ホールディングス、東京海上日動、日本の物流を、魅力的な産業に変革することを目指して11法人で「物流コンソーシアムbaton」を発足
東京海上ホールディングス、東京海上日動、東京海上スマートモビリティ株式会社、セイノーホールディングス株式会社、第一貨物株式会社、トナミ運輸株式会社、トランコム株式会社、新潟運輸株式会社、ハコベル株式会社、福山通運株式会社、名鉄運輸株式会社の11法人は、総合物流施策大綱(*1)で掲げられている“簡素で滑らかな物流”・“担い手にやさしい物流”・“強くてしなやかな物流”の実現に向け、物流を取り巻く関係者の垣根を超えた取り組みを加速していくために、「物流コンソーシアムbaton」を発足する。「baton」という名称には、「人や企業を結び、力を合わせて、新しい未来へのバトンを繋ぐ」という思いを込めている。
「baton」の第一弾の取り組みとして、複数企業横断型の中継輸送ネットワークの実現に向けた企業間の共創や国・自治体等との連携に取り組むことを通じて、日本の物流産業の更なる魅力向上を目指していく。
(*1)総合物流施策大綱とは、国土交通省が策定した物流業界の効率化や持続可能な成長を目的とした基本方針である。最新版は2021年5月に改定され、労働力不足や環境対策など現代の課題に対応する内容がまとめられている。
1.コンソーシアム発足の背景
物流業界では、物流量は増加している一方で、労働力不足を背景とした、輸送力・供給力の不足から、トラック稼働率・積載率低迷しており、物流需給のギャップは深刻な問題となっている。また、幹線輸送等においては、一人のドライバーが宿泊を伴う長時間・長距離輸送を行うなど、労働環境・安全管理上の課題も存在する。
本問題の解決に向けては、「物流の2024年問題」を背景としたトラックドライバー不足への対応やトラック稼働率・積載率の向上、日本全国に約6万社ある中小運送企業の収益体質を向上、日帰り輸送の実現等による労働環境の改善に取り組んでいくことが不可欠である。
物流業界が直面するこれらの取り組み課題に対して、個社の取り組みのみならず、企業間の垣根を超えた取り組みを促進すべく、この度11法人にて「物流コンソーシアムbaton」を発足した。
2.目的
■物流を取り巻く関係者の垣根を超えたコンソーシアムを構築し、総合物流施策大綱で掲げられている“簡素で滑らかな物流”・“担い手にやさしい物流”・“強くてしなやかな物流”の実現に向けた取り組みを加速する。
■中でも、物流需給ギャップの解消策の一つとして注目が高まっている「中継輸送」の実現に向けて、物流業界内外で事業者が協調できる領域を議論するための中立・公平・オープンな場を提供する。
3.今後の活動内容
コンソーシアムでは、企業横断型の中継輸送における取り組みの検討にあたり、以下の4つの領域にフォーカスしていく。
①運ぶ:物流の効率的なマッチング
②繋ぐ:中継拠点の確保や整備
③支える:ドライバーの労務環境や健康状態の向上
④備える:新しい物流形態に対するリスクマネジメント
これら4つの領域における取り組みを通じて、企業横断型の中継輸送を実現することで、日帰り輸送の実現など労働環境の改善や職業魅力の向上、物流生産性向上を目指す。2025年4月のコンソーシアム本格始動に向けた、上記4つの領域における具体的な取り組みの詳細については、参画メンバーとの論議を踏まえ決定していく。
■企業間の情報共有・議論・連携を支援する場の提供
今後11法人以外にも参画企業を広く募るとともに、運送事業者をはじめとする様々な関係者が集まる場を提供し、全体会(*2)を通じて各々の知見や課題を共有しながら、企業横断型の中継輸送実現に向けた取り組みを推進する。また、コンソーシアムで得られるネットワークや協力関係を通じ、オープンデータを伴う全国規模の中継輸送ネットワークの構築・中小運送事業者の活性化・ドライバーの職業魅力向上・物流の安全の提供等の、社会的価値の創出に向けた企業間の連携を支援する。
■重点課題の選定と、課題解決策の社会実装支援
中継輸送実現上の課題である、トラブルの発生を防ぐ運用ルールの事前調整や安定的な物量および中継拠点確保など、コンソーシアムで取り組むべき課題を絞り込むとともに、課題ごとに具体的な解決策の社会実装を議論するためのワーキンググループを設置する。
【スケジュール】
■~2025年3月:準備期間(テーマ選定・分科会設定・実行計画・参画企業の受付等)
■2025年4月目途:本格始動
(*2)「全体会」では、コンソーシアム運営における方針決定や知見・成果の発信、産学官連携などを担い、「ワーキンググループ」では、活動の必要性に応じて参画企業の一部で構成し、個別領域における課題解決に向けたサービスの創出などを検討する。