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損保ジャパン、洋上風力発電所リスク評価モデルを刷新、保険引受の高度化に活用

損保ジャパンとSOMPOリスクは、洋上風力発電所リスク評価モデル※1(以下「本モデル」)を、近年の国内外の洋上風力発電に関する事故データや最新の学術研究成果等の知見をもとに進化させた。また、洋上風力発電所を複数拠点で建設・運営する洋上風力発電事業者向けのリスク評価サービスの提供を開始する。加えて、本モデルを活用し、損保ジャパンにおけるリスク管理と保険引受のさらなる高度化に取り組み、将来にわたる安定的な保険商品の提供を目指す。
※1 洋上風力発電所における風災、落雷、機械的・電気的故障による物的損害とその物的損害に起因する利益損失を確率的に推定するツールである。
1.背景
2050年カーボンニュートラルの実現に不可欠である再生可能エネルギーの主力電源化の切り札として、洋上風力発電が注目されている。また、日本国内においては、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」に基づく洋上風力発電事業者の公募が着々と進み、洋上風力発電の導入促進が図られている。
一方で、数千億円の大型プロジェクトとなる洋上風力発電事業の安定運営には課題がある。例えば、日本における台風、落雷、地震・津波などの自然災害の頻発化や、海底ケーブルに関する事故、変電所火災に代表される洋上風力発電固有の事故など、さまざまなリスクにさらされている。このようなリスクを定量的に評価したうえで、洋上風力発電事業者におけるリスクマネジメントを強化し、保険にリスク転嫁するといった対策が必要である。
2.概要
(1)本モデルの進化
損保ジャパンとSOMPOリスクは、2016年5月に本モデルを開発後、事業者などに対する入札支援および保険組成において定量的なリスク評価やリスクマネジメント支援を行い、高い評価をされている。このようなサービス提供を通じて蓄積された知見や最新の学術研究成果等を活かし、本モデルの「ケーブル事故モデル※2」と「傭船コストモデル※3」を特に進化させた。
「ケーブル事故モデル」は、これまでの事故データや最新の技術的な知見などをもとに、モデル内の頻度や強度のパラメーターを更新し、より適切なリスク評価が可能となった。
また、「傭船コストモデル」は、学術研究成果等の知見を用いてリスク評価の算出方法を更新し、風車大型化やそれに伴う作業船の大型化とコスト上昇の影響を考慮している。操業中の洋上風力発電所における事故は修繕費用のうち傭船コストが占める割合が大きいため、「傭船コストモデル」の更新により、リスク評価の精度が向上する。
※2 ケーブル事故による修理などにかかる費用を計算するモデルを「ケーブル事故モデル」としている。
※3 傭船コストは、事故による修理などでSEP船(自己昇降式作業台船)等の船舶を手配した際にかかる費用のことである。ここでは、そのコストを計算するモデルを「傭船コストモデル」としている。
(2)複数拠点に対するリスク評価サービスの提供
今後、洋上風力発電所を複数拠点で建設・運営する発電事業者が増加することが見込まれる。このような発電事業者においては、複数拠点で同時に被害が発生する可能性があり、そのようなリスクを各洋上風力発電所のリスクを統合して評価するサービスを提供する。事業ポートフォリオのリスクを定量的に把握することで、洋上風力発電事業者のリスクマネジメントの強化に貢献する。
(3)損保ジャパンのリスク管理と保険引受の高度化
今後の洋上風力発電所増加に伴い、保険引受件数および引受するリスク量の増加が見込まれる。将来にわたり安定して保険商品を提供するため、損保ジャパンにおいて本モデルの分析結果を活用し、台風や落雷をはじめとする日本の自然災害リスクを適切に管理する。また、保険引受余力の分析や効果的な再保険の活用などの保険引受の高度化を図る。
3.今後について
損保ジャパンとSOMPOリスクは、今後も最新の知見を積極的に取り入れるとともに、海外の洋上風力発電事業者向け保険の引受実績が多数あるSOMPOインターナショナル※4の引受ノウハウも融合させ、洋上風力発電事業の普及を促進する。さらに洋上風力発電事業に限らず、「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」というSOMPOのパーパス実現に向けて脱炭素社会の実現に貢献していく。
※4 SOMPOホールディングスの海外保険事業の中核会社として、スペシャルティ保険等を中心とするコマーシャル部門および個人保険等を中心とするコンシューマー部門における 元受保険事業および再保険事業を行っている。

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