東京海上日動、お客様への価値提供の拡大に向けた「レジリエンス」の取り組みを公表
東京海上日動は、新たに「レジリエンス」を重要な社会課題領域と位置づけ、テクノロジーやデータを活用した新たな保険商品・ソリューションの提供により、お客様・地域社会の課題解決に貢献する。7月1日に「レジリエンス室」を新設し、新たな体制のもと、お客様に価値をお届けする取り組みを強化していくことで同社の持続的な成長の実現を目指していく。
1.背景
同社はお客様や社会の“いつも”を支え、“いざ”をお守りするパートナーとなることを目指し、2021年度より、「サイバー」「中小企業支援」「GX」「ヘルスケア」を社会課題重点4分野として定め、社会課題を解決する様々な取り組みを推進してきた。
近年、自然災害の激甚化や人為災害が多発化する中、企業活動の維持・高度化に向けた対応力強化が求められており、2023年4月には経産省より「災害に対するレジリエンス社会の実現」に向けた産業政策の方向性が発表された。
東京海上グループでは、2021年11月に発足した防災コンソーシアムCOREにより業界の垣根を超えた企業間の連携・協業を推進し、様々なソリューションの研究・実証・実装に取り組んでいる。また、2023年11月には防災・減災領域の新規事業に特化した東京海上レジリエンス株式会社を設立、グループのデータ活用を推進するとともに、リスクコンサルティングを担う東京海上ディーアール株式会社とも連携してソリューションの開発・提供している。
そうした中、同社は、「レジリエンス」を5分野目の社会課題重点領域と位置づけ、2024年7月1日に「レジリエンス室」を設置することとした。レジリエンス室を中心に、グループ各社等と連携しつつ、保険業を通じて蓄積したリスク対応への専門性や全国の営業基盤、地域社会とのネットワーク等を活かし、幅広く保険とソリューションをお届けしていく。
2.「レジリエンス室」の役割と主な取り組み
同社では、お客様や地域社会の要請・ニーズを踏まえ、レジリエンス強化に向けた注力テーマとして、「防災・減災」「サプライチェーンマネジメント」「インフラ・設備保全」を掲げ、レジリエンス室が中心となり、同社の販売基盤を活用して新たな保険商品・ソリューションの提案を企画・推進していくことで、お客様のレジリエンスの向上に貢献していく。
各テーマでの主な取り組みは、以下の通りである。
(1)防災・減災
保険商品の提供に加えて、企業・自治体における防災基準の策定や自然災害に関連する情報配信サービス、事業継続計画(BCP)策定支援といった災害の事前・事後の対策に資するソリューションを提案、お客様や地域社会の防災・減災サイクルの構築・運営に貢献する。
【提供ソリューションの例】
貢献領域/ソリューション/概要
現状把握/自然災害リスク評価/地震・津波、風災、水災といった様々な自然災害リスクの評価
対策・実行/防災監査基準策定支援/保安防災についてのグローバル統一基準の策定を支援
避難・退避/レジリエント情報配信サービス/災害情報の可視化・一元管理を行い、リスクレベルを通知
(2)サプライチェーンマネジメント
重要な経営課題であるサプライチェーンの強靭化に向けて、サプライチェーンにおける自然災害や地政学リスク等を可視化し、環境変化に強いサプライチェーンの構築に貢献する。
加えて、サプライチェーンの途絶・遅延時の代替輸送費用保険等の経済補償も併せて提供することで、お客様の財務体制の強化を支援する。
【提供ソリューションの例】
Fujitsu Supply Chain Risk Visualization Service(SCRV):
サプライチェーンのリスク可視化・評価による有事に備えた対策立案を支援する。また、追加物流費用を補償する保険により、お客様の操業中断による損害の未然防止を支援する。
(3)インフラ・設備保全
小売業(スーパーマーケット等)やインフラ事業(発電事業等)を営む事業者は、建物・設備の保全・管理の複雑化や管理コストの増大という課題に直面している。同社はインフラ設備等の状態や故障発生確率などを分析し、設備稼働率・製造効率の向上やメンテナンスコストの可視化・最適化を実施し、建物・設備の修繕費用に関する保険の提供を目指している。これにより、安心安全な事業活動に貢献する。
【提供ソリューションの例】
計画外の保全に伴い発生する費用の保険および保全計画立案サポートサービスの開発を目指しており、当該サービスの提供を通じて、お客様の保全計画の最適化を支援する。
3.今後について
同社は、一層のスピード感をもって社会課題の解決に資する商品・サービスを開発・提供することで、お客様や地域社会に対する新たな価値の提供を実現していく。