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損保ジャパン、「デバンカー保険」の販売を開始

損保ジャパンとトライボテックス株式会社(以下「トライボテックス」)は、海運事業者が供給した燃料油の性状不良に起因して抜き取りが必要になった場合の対応費用を補償する新たな保険サービスを開発する。本保険サービスは、損保ジャパンが6月を目途に販売を開始する予定である。
1.商品開発の背景・目的
近年、船舶に供給される舶用燃料油の性状不良による機関事故が多発している。2018年にはヒューストンにおいて供給された燃料油が約150隻の航行に影響を及ぼし、2022年にはシンガポールにおいて供給された燃料油から塩素化炭化水素が検出され約200隻が航行への影響を受けた。
こうした粗悪燃料油による機関事故は舶用エンジンの損傷を招く危険性があることに加え、粗悪燃料を船主に供給した定期傭船※1者はデバンカー※2費用の賠償責任を負う可能性があり、深刻な経済損失が懸念されます。
※1 船舶運航の一契約形態であり、一定の航海区域内で数か月から数年のあいだ、貨物を運送するために船舶を傭船(貸し借り)すること
※2 補油した燃料油が船内で使用不能になった場合に、本船の燃料タンクを開けるために、本船から燃料油を陸揚げすること
トライボテックスは、機関の潤滑状態や油の劣化・汚染状態の分析・評価・診断・対策立案において高い技術と経験を有している。損保ジャパンとトライボテックスは業務提携を通じて、デバンカー費用の潜在的賠償責任に対処するため、トライボテックスの潤滑油診断技術により性状不良を検知した場合に当該不良に起因して発生したデバンカー費用を補償する保険を開発した。
2.「デバンカー保険」の概要
(1)商品の概要
トライボテックスのセンサを本船燃料タンクに設置し、給油された燃料油が性状不良であると検知した場合に、以下の費用を損保ジャパンが保険金として支払う。
①粗悪燃料の積み降ろし費用
②燃料タンクの清掃費用
③粗悪燃料の廃棄費用
(2)商品の特徴
トライボテックスのセンサにより機関事故の防止を図るとともに、船体に応じた商品設計により、合理的な保険料を実現する。
(3)販売開始日
2024年6月を予定
3.今後について
損保ジャパンは「お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスを提供し、社会に貢献」するというグループ経営理念の実現に向け、最先端の技術を活用して事業展開を進めている。また、トライボテックスは「トライボロジー(潤滑・摩擦・摩耗工学)」を活用した診断技術により社会に貢献することを目指している。
両社は、トライボテックスの最新技術活用を通して粗悪油の使用による海難事故を防止し、海の安全を確保すると共に海難事故に起因する物流停滞と自然環境への影響を抑止することで、Wellbeingな社会の実現を後押しする。
なお、「デバンカー保険」は従来型の舶用燃料油(重油)を対象としているが、将来的には植物油等のバイオマス燃料への活用も視野に入れており、さらなる商品開発を進めていく。

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