MS&ADホールディングス、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、大災害債「Tomoni Re 2024」をグループ共同で発行
三井住友海上ならびに、あいおいニッセイ同和損保は、今般、国内自然災害リスクを対象とする大災害債(以下、キャットボンド※1)「Tomoni Re 2024」をシンガポール※2で共同発行した。
MS&ADインシュアランスグループは、今後も再保険やキャットボンドの適切な活用を通じて、リスク管理を強化し、経営の健全性向上に努めていくとともに、社会のレジリエンス向上に向けた取組みを進めていく。
※1:三井住友海上は7回目の発行、あいおいニッセイ同和損保(合併後)は3回目の発行となる。
※2:補助金制度を設けるなど、キャットボンド等の保険リンク証券※3市場の活性化に取り組んでいる。
※3:保険リスクを対象とする証券化商品の総称で、資本市場を活用したリスク移転方法として活用されている。投資家は証券化商品に投資することで、一般の金融市場との相関関係が低い投資利回りを得ることができる。
1.「Tomoni Re 2024」の概要
「Tomoni Re 2024」は、シンガポールに設立した特別目的会社である「Tomoni Re Pte.Ltd.」を通じて、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保の2社から、機関投資家向けに発行したものである。
国内自然災害によって生じた損害があらかじめ設定した条件を超過した場合に、その超過額に応じて、投資家へ償還予定の元本の一部または全部を再保険金として充当する。
三井住友海上が発行するキャットボンドは、台風や洪水による一災害ごとの損害において基準を超過した損害額をカバーする条件とし、同等のリスクを補償するキャットボンドとしては比較的低廉なコストでの発行を実現している。また、あいおいニッセイ同和損保が発行するキャットボンドは、台風や洪水による損害は一災害ごと、地震による損害は3年間の累計額で各々の基準を超過した損害額をカバーする世界初※4の条件を導入している。
【ClassA】
対象会社 三井住友海上
発行体 Tomoni Re Pte.Ltd.
発行時期 2024年3月
満期 2028年3月末(期間4年)
対象リスク 日本国内の台風・洪水リスク
発動基準 一災害
発行金額 100百万米ドル(約150億円※5)
利回り 担保債権の利回り+3.25%※6
【ClassB】
対象会社 あいおいニッセイ同和損保
発行体 TomoniRePte.Ltd.
発行時期 2024年3月
満期 2028年3月末(期間4年)
対象リスク 日本国内の台風・洪水・地震リスク
発動基準 台風・洪水:一災害、地震:3年間累計
発行金額 100百万米ドル(約150億円※5)
利回り 担保債権の利回り+4.00%※6
※4:台風や洪水による一災害ごとの損害と地震による3年間累計での損害をどちらもカバーできるキャットボンドは、世界初となる。(AonSecurities調べ)
※5:1米ドル=150円による換算値
※6:ClassAとClassBでは、期待損失率(損失が発生する確率)が異なる。
【発動基準】
<一災害ごとの損害>
あらかじめ設定した条件を超過した金額が再保険金として充当される。ただし、元本を上限とする。
<累計での損害>
一定の金額を超過する災害の累計損害額があらかじめ設定した条件を超過した場合、超過した金額が再保険金として充当される。ただし、元本を上限とする。
2.キャットボンド発行の背景
三井住友海上ならびにあいおいニッセイ同和損保は、両社のノウハウや知見を活用し、再保険による保有リスク量の削減を図るとともに、再保険カバーの調達手段を多様化し、長期安定的なカバーを確保するため、共同でキャットボンドを発行することとした。