三井住友海上、アジャイル開発の新基盤「MS Agility Platform」を構築
三井住友海上は、MS&ADシステムズ株式会社、アクセンチュア株式会社とともに、アジャイル開発※1の基盤となる「MS Agility Platform」を構築し、今月から運用を開始した。
「MS Agility Platform」の利用によって、同社システムのアジャイル開発を拡大し、社会のデジタル化やビジネス環境の激しい変化に対して、迅速かつ適切に対応したサービス開発や展開を進めていく。
※1:システムやソフトウェアにおけるプロジェクト開発手法の一つで、短期間で開発を繰り返し、開発中に発生する状況の変化に対応しながら開発を進める手法。
1.背景
同社は、ビジネス環境の激しい変化に対応するためにアジャイル開発を推進しているが、開発パートナーやシステムごとに開発環境や運用が異なり、複数システムの効率的な管理・運用が課題となっていた。
MS&ADシステムズやアクセンチュアと検討を重ね、独自のシステム構成や最新の開発環境、セキュリティを確保した複数システムの一元管理、開発プロセスの自動化を実現する独自のシステム基盤を構築した。
2.「MS Agility Platform」の概要
複数システムの一元管理やソフトウェアの開発、テスト、リリース、および運用を自動化するためのツールを提供する同社独自のシステム基盤である。開発プロセスの自動化によって、システムリリースまでの期間が短縮され、お客さまへのサービス提供が従来よりも早くなる。また、GitLabSaaS※2を基に構築していることから、オンプレミス※3で構築した場合に必要となるバージョンアップ対応が不要となり、常にGitLabの最新機能を用いたサービス開発が可能となる。
運用開始前の実証実験では、従来3時間程度必要としていたシステムリリースの作業時間が10分の1以下に短縮されただけでなく、ヒューマンエラーの防止および作業品質の向上も確認している。
※2:GitLab社が提供する「DevSecOps(デブセックオプス)プラットフォーム」のSaaS版で、全世界で3,000万人以上に利用されている。「DevSecOpsプラットフォーム」はアプリケーションの開発、テスト、リリース、および運用を自動化するためのツール提供基盤である「DevOps(デブオプス)」にセキュリティ機能を組み込んだプラットフォームで、同社は、クラウド上で構築されたサービスをインターネット経由で利用するSaaS版を採用した。
※3:自社でハードウェアやソフトウェアを保有・管理して運用する形態である。
3.今後の展開
今後、「MS Agility Platform」のシステム基盤のバージョンアップ、対象プロジェクトの拡大、活用を広げるための専門人財の配置を進めていく。また最適なプラットフォームの活用方法について、MS&ADシステムズやアクセンチュアとの検討を継続していく。
さらに、同社のシステム開発だけでなく、代理店向けツール「MS1 Brain」をはじめとする既存システムへの本格的な導入も検討していく。