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東京海上日動、TradeWaltz(R)と同社貨物保険システムの連携開始

東京海上日動は、貿易業務におけるDXを推進するために、同社が出資する株式会社トレードワルツが運営する貿易プラットフォーム「TradeWaltz(R)」と連動した、貨物保険の申し込みや保険証券の発行に関する新しいサービスを開始した。
1.背景
貿易業務に付随する手作業での書類作成や整合性の確認作業等には、多大なロードやコストがかかっており、貿易業務におけるDX推進は業務効率化に向けた課題の一つとなっている。
従来より、輸出入貨物にかける外航貨物海上保険の申込みに際しては、インボイス(商業送り状)や運送書類などをもとに、お客様自身が保険の申込みに必要な情報を同社システムなどに転記のうえ同社に送信している。その後、同社は申込んだ情報をもとに発行した保険証券を、紙やPDFの形態でお客様に届けている。
今般、同社は株式会社トレードワルツと協力して、同社が運営する貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz(R)」と同社システムを相互に連動するシステムを開発する。これにより、同社は保険証券をデジタルデータとしてお客様に送ることができるようになる他、年内にはお客様の保険申込みに必要な情報の入力を省力化することも可能とする予定である。
2.本サービスの概要
(1)保険証券のデジタルデータ化(2023年8月から)
・同社システムをTradeWaltz(R)と連動させることで、現在紙またはPDFで送っている保険証券をデジタルデータ化し、TradeWaltz(R)上でのお客様への提供を2023年8月より開始した。
・お客様が保険証券情報をデータとして取得することで、従来発生していたアナログな事務作業の削減が可能となり、お客様の業務削減・生産性向上に寄与する。例えば、銀行がTradeWaltz(R)と連携している前提ではあるが、保険証券への裏書き※1や銀行買取のための証券送付※2といった作業を大幅に省力化することができるようになる。
・また、デビットノート※3もデータ化されるので、税関へのデビットノートのアナログ送付や税務調査に備えた書類保管なども不要となることが今後想定される(TradeWaltz(R)上で電子帳簿保存法対応データとして格納されることが予定されている)。
※1:貨物保険証券は売主から買主に国際間で銀行を介して譲渡が行われ、その際に保険証券の裏面に署名をして証券上の権利を他の人に譲渡する。その署名行為を「裏書き」と言う。
※2:銀行が発行する信用状(銀行が介在することで売主・買主の双方の決済にかかるリスクを減少させる代金決済方法)に基づく国際物品売買においては、売主は銀行から貨物保険の手配と保険証券の提出が求められる。
売主が銀行へ保険証券を含む書類一式を持ち込み、引き換えに代金を受け取ることを「銀行買取」と言う。
※3:貨物保険における保険料請求書のことで、輸入通関時に税関に提出される書類の一つとなる。
(2)貿易関連情報のデータ連動による保険申し込み事務省略化(2023年12月頃から)
・同社お客様がTradeWaltz(R)を利用すると、TradeWaltz(R)上にあるデータ化されたインボイス(商業送り状)や運送書類といった貿易関連情報が、保険申し込み用のデータとしてTradeWaltz(R)から同社システムに自動で連動する。
・それにより、お客様自身で保険申し込みの際に必要情報の転記が不要となり、お客様の業務削減・生産性向上に寄与する。本機能は2023年12月頃のサービスインを予定している。
3.貿易DXのための同社の取り組みについて
貨物保険の証券は国際的に流通するものであり、日本国内の貿易事務のデジタル化のみならず一つでも多くの貿易相手国でもさらなる利便性向上に必要不可欠となる。
そのため、同社は世界各国でその普及を目的とした提唱活動を行ってきている他、わが国の保険証券データの基準を国際標準とするための活動を国際連合や国際商業会議所においても実施している。
同社は、今後もデジタル化によるお客様の利便の向上のために、国際的な活動を続けていく。

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