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東京海上日動、洋上風力発電向け工事請負業者や部品サプライヤーの契約上の瑕疵保証責任を補償する保険を開発

東京海上日動は、洋上風力発電所の工事請負業者や部品サプライヤーが契約上の瑕疵保証責任を負担することで被る損害を補償する新しい保険商品を開発し、12月中に発売開始する。
経済産業省による「第6次エネルギー基本計画」では、洋上風力発電は再生可能エネルギー主力電源化の切り札として推進していくことが謳われており、2030年には5.7GWの導入目標が掲げられるなど、洋上風力発電の更なる導入拡大が期待されている。
また、「洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会」は、2040年までの洋上風力発電の導入目標30~45GWを設定し、その実現のため国内サプライチェーン形成を必要とし、併せて国内における部品の調達比率を2040年までに60%にするという目標を掲げるなど、洋上風力発電は国内の産業振興においても大きな期待を受けている。
こうした環境は、洋上風力発電に係る工事請負業者や部品サプライヤーにとってはビジネスチャンスである一方、EPC契約※が一般的であることや洋上作業にかかる費用、洋上風力特有の専門性の高さにより、他の工事よりも広範、高額かつ長期間の瑕疵保証責任を求められる傾向があるといった大きなリスクにも直面している。工事請負業者や部品サプライヤーが通常手配する建設工事の保険や生産物賠償責任保険では、一般的にそのような瑕疵保証責任のすべてを補償することができない。
洋上風力産業が先行する欧州では、コンポーネントの設計、製造、設置工事において重大な瑕疵が発生し、瑕疵保証責任の履行が重い負担となり、工事請負業者や部品サプライヤーが倒産につながる事例等が複数報告されており、日本でも瑕疵保証責任の大きさが洋上風力産業発展のボトルネックの一つとなることが指摘されている。
同社は、我が国の保険会社として初めて発電事業者を対象に洋上風力発電向けパッケージ保険を開発し、2020年4月からお客様に提供してきた。
今般、同社は洋上風力産業の発展を更に支援するため、工事請負業者や部品サプライヤーが負担する高額かつ長期間の瑕疵保証責任を補償する保険商品を開発した。
※ 工事請負業者が設計(Engineering)・調達(Procurement)・建設(Construction)を一括で請け負う契約方式
◆保険商品の概要
(1)補償内容
本保険商品は風車タービン部品や海底ケーブル、風車基礎部分などの設計、材質、製作または施工に関する工事請負業者や部品サプライヤーの瑕疵保証責任を補償し、保険金を支払う。
また、洋上特有の費用である傭船料も補償可能とするなど、具体的な補償内容はオーダーメイドで設計する。
(2)本保険の特徴
従来は、工事請負業者や部品サプライヤーが負担する高額かつ長期間の瑕疵保証責任を補償する保険商品を提供することは困難であったが、同社では、再保険を活用し、日本向けの保険引受けの枠組を構築した。この結果、最長5年間の長期間にわたる瑕疵保証責任に対応し、10億円を超える支払限度額を提供することも検討可能となった。

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