東京海上日動、知財M&Aリスクの補償を開始
東京海上日動は、10月より、M&A取引後に生じた知的財産権(以下「知財」)を巡るトラブルに対応した保険の販売を開始する。
昨今、様々な業種においてグローバルレベルでの競争力強化が求められており、国内企業ではイノベーションの源泉となる知財の重要性が年々高まっている。また、2021年には、中小企業庁による「知的財産取引に関するガイドライン」の制定、内閣府による「知的財産推進計画2022」の決定、コーポレートガバナンスコードへの知財関連項目の導入など、国も企業の知財取組みや知財保護を推進している。そうした中、M&A取引において知財の位置付けが高まっており、M&Aの成否にも大きな影響を与えるようになっている。
このような情勢を踏まえ、同社は、売主および買主双方が知財を含むM&A取引を安心して実行できる環境づくりを支援するため、本保険を開発した。
◆本保険の概要
・本保険では、M&A取引に含まれる知財(主に特許権、実用新案権※1)の実施に関し、第三者から買主または買収対象会社に対して、知財侵害に起因する賠償または差止請求を提起される等の表明保証違反※2が発生した場合に買主に生じる賠償金や争訟費用などを補償する。
・本保険の開発にあたっては、国内の商慣習を踏まえた補償内容の設計やリスク評価手法の構築などで、志賀国際特許事務所、人工知能を用いた特許調査を提供するAI Samuraiと連携した。
・また、万が一お客様が国内外での知財紛争に巻き込まれた場合には、志賀国際特許事務所のグローバルネットワーク(外国法律事務所等)を通じて、相手方の特許に対する対抗措置を検討するなど、紛争処理を支援する体制を構築した。
※1 物品の形状、構造または組み合わせに係る考案を保護するための権利
※2 M&A取引では、売主が買主に対して「知財侵害はないこと」を表明保証することがある