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SOMPOホールディングス、アプリ開発し「予測する介護」へ

SOMPOホールディングスと介護事業を担うSOMPOケアは、最新テクノロジーの積極的な活用に基づく介護領域のリアルデータ※収集・解析により、利用者の自立支援や重度化予防、QOL(Quality of Life:生活の質)向上に取り組んでいる。
今般、AIモデルを使うことで利用者の3か月後の介護状態を予測し、利用者に対して介護状態の維持・向上につながる効果的な支援などを提案できるアプリを開発し、SOMPOケアが運営する介護付きホームでの試験運用を開始した。
SOMPOの介護が従来の「現在の状態に対応していく介護」から「予測する介護」へと変革していくことで、利用者・職員・経営それぞれにメリットをもたらす「三方良し」の世界を実現していく。
※ 個人・企業の実世界での活動についてセンサー等により取得されるデータ(健康情報等)
従来、SOMPOケアでは介護現場の職員と理学療法士、栄養士などの各種専門職が連携し、利用者一人ひとりの援助方法や栄養対策などに対し、最適な解決方法を導き出してきた。
今以上に利用者の重度化予防や健康寿命の延伸に貢献するためには、食事量の減少や活動量の減少といった具体的な体調変化が表れ始める前に、予防できる仕組みを構築することが理想であると考えていたが、すべての利用者の状態を細かく把握し、職員の経験と勘、観察力という匠の技を頼りに、健康状態の変化を捉えて予防策を講じることにも限界がある。
そこで、利用者の介護状態の悪化予測を行い、悪化する前に予防できる未来の介護の実現を目指し、これまでに業務システムに蓄積されたさまざまなヘルスケアデータを解析し、利用者の介護状態をスコアで可視化した。そして、その推移を分析することで、利用者の3か月後の状態を予測できる「自立支援アプリ」(仮称)を開発した。
◆「自立支援アプリ」(仮称)について
(1)概要
「自立支援アプリ」(仮称)は、利用者一人ひとりの「3か月後の介護状態(悪化・維持・改善)」を予測する。仮に悪化予測であった場合、「何が悪化するのか」、「悪化してどのような状態になるのか」、「悪化に対する効果的な予防対策は何か」まで示唆する機能を有している。
具体的には、3か月後の状態悪化が予測された場合、たとえば排泄機能が悪化するのか、または栄養状態が悪化するのかなどを示唆する。これにより、今まで利用者自身で行ってきたことにも援助が必要になる、といった生活状況の変化も示唆される。
加えて、当該アプリでは単に悪化予測をするだけではなく、「栄養状態が悪化しないよう栄養の補助を検討しましょう」「トイレまでの導線を見直しましょう」といった悪化防止に向けた一般的な提案が可能である。
(2)SOMPOケアにおける「自立支援プロジェクト」の開始
現在、予測の正確性や提案の妥当性などを利用者に実感してもらうためのトライアルを、「自立支援プロジェクト」としてSOMPOケアの介護付きホーム2か所で開始している。アプリから提案された予防策に対して、SOMPOケアの理学療法士、栄養士などの専門職が個別性のある自立支援策を立案する。その際は、利用者がどのような生活を送りたいのか、大切にしたい習慣は何かなど、利用者一人ひとりの生活における価値観を知り、尊重することが大切である。利用者が現在の生活をこれからも継続していけるよう、データを活用して支援することを目指している。状態が変化したことをきっかけとして専門職が関わるのではなく、状態の変化を予測し先手を打つ「予測する介護」への変革を実現していく。
◆「自立支援アプリ」(仮称)における「予測」の開発
SOMPOケアには、アセスメントデータ、援助データ、食事量データなど、数万件にもおよぶ利用者のヘルスケアデータが蓄積されている。
この数万件のヘルスケアデータを、まずはスコアに置き換えて、利用者一人ひとりの介護状態を数値で表現できるようにした。そして、その数値の向上・維持・下降について、3か月単位で推移を分析した。また、推移だけでなく、援助内容や援助量の変化などさまざまな変数を算出し、悪化が何に起因するかについても、過去から現在のビッグデータを元に予測ロジックを開発した。
約2年間にわたり試行錯誤を繰り返した結果、3か月後に介護状態のスコアが下降する可能性を示唆する予測モデルの実装に至った。
◆「予測する介護」への変革で目指すもの
「自立支援アプリ」(仮称)を導入し、状態の変化を予測し先手を打つ「予測する介護」へ変革することで、健康状態の過去から現在までの遷移や、悪化防止に過去実績のある介入を提示し、自立支援に資するサービスを提供できるようになる。また、介入するサービスが、より一人ひとりに適した提案につなげられるよう、理学療法士や栄養士などの専門職が専門的知見から支援する。これにより、利用者にとっては「可能な限り健康状態の悪化を防ぐことによる自分らしい暮らしの継続」、職員にとっては「健康状態悪化に伴う対応の負担軽減と、利用者一人ひとりに寄り添った介護の実施によるモチベーション向上」、経営にとっては「職員の負荷軽減および離職予防による経営の安定」という「三方良し」の世界を実現していく。

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