損保ジャパン、「ホテル避難サポート」の実証実験開始

損保ジャパンは、一般社団法人データクレイドル（以下「データクレイドル」）および高知市内のホテルと連携し、データクレイドルが運営する地域住民向けアプリ「まちケアコモンズ」※を通じて、ホテルを避難所として活用し早期避難を後押しするサービスの実証実験を開始した。
※「まちケア・コモンズ」は、日常の生活の中に当たり前に防災がある暮らし”備えながら暮らす”ためのアプリである。
地域の災害リスク情報、防災施設情報と公共施設や医療・介護施設、健康と安心安全な暮らしのための商品・サービス提供企業・店舗等の地域社会資源情報を活用したメニューを提供している。
1．取組みの背景と目的
近年、自然災害が激甚化・頻発化しており、甚大な被害が発生するケースが増加している。自然災害に対しては日頃からの備えと万が一の際の事前避難が大切であるが、様々な要因によって、住民の逃げ遅れによる人的被害が発生し、社会課題となっている。また、昨今の避難行動においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、安心・安全な避難場所の確保が重要となっている。
このような背景のもと、損保ジャパンでは、自然災害発生時の逃げ遅れゼロの実現に向け、住民の早期・分散避難を後押しするサービスの検討を重ね、今般、データクレイドルと連携し、高知市を中心に実証実験をおこなうこととなった。
本実証実験は、経済産業省が実施する令和3年度「地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業」によるものであり、データクレイドルを補助事業者（全体統括・サービス提供主体）とし、損保ジャパンは実証連携法人としてサービスを支える保険の提供をおこなっている。
本実証実験を通じて、ホテルを活用した事前避難の実効性の検証、ならびに住民の避難への備えに対するニーズや課題を把握することを目的としている。
2．取組みの概要
今回の取組みでは、主に高知市内在住の避難行動要支援者や、妊婦、乳幼児を抱える子育て層などを対象とし、データクレイドルが運営する地域住民向けアプリ「まちケアコモンズ」を通じて、「ホテル避難サポート」を提供する。
「ホテル避難サポート」では、避難指示発令時に「まちケアコモンズ」のユーザー向けにアプリを通じた避難誘導をおこない、協定したホテルを避難所として利用した場合に、当該ホテルへの宿泊費を優遇するサービスを提供する。
損保ジャパンは、自然災害に備える保険商品の開発や提供等により培った経験や知見を活かし、今回の実証実験においても、サービスの安定的な運用をサポートするための保険を提供している。
データクレイドルは、平成30年7月豪雨の際に岡山県倉敷市真備地区において、被災者支援情報ポータルサイトを立ち上げ、刻々と変わる避難所周辺の情報を収集し、位置情報を付与し住民へ提供した実績を持ち、地域におけるオープンデータの普及と活用技術の向上を支援することを強みとしている。
それぞれの持つ強み、知見に基づき、住民の災害発生前の早期・分散避難を後押しするサービスの構築を目指す。
3．今後の展開について
損保ジャパンは、今回の実証実験で得られるデータおよび課題をもとに、住民の避難を後押しするサービスや保険商品の開発に取り組む。
また、「”安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する」という「SOMPOのパーパス」実現に向けて、台風・洪水・内水氾濫等の水災害に対する備えと対応力を高めることで、災害に強い地域社会を作ることに貢献し、社会課題の解決に取り組む。