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損保協会、IAISマクロ健全性監督に係る文書案に意見提出

損保協会は、保険監督者国際機構(IAIS)※1が2021年3月8日から5月7日まで市中協議(パブリック・コメント)に付した「マクロ健全性監督に関するアプリケーション・ペーパー(AP)案」※2に対する意見を提出した。
本文書案に対して、当協会からは、1.保険会社自身のリスク管理等のために実施するORSA(リスクとソルベンシーの自己評価)やリスクアペタイトステートメント等に対する過度な介入等、監督実務としての記載の妥当性に関する指摘、2.保険セクターのシステミックリスクが銀行セクター等と比べて小さいことを踏まえたリスク評価プロセスの見直し提案、3.保険会社の実務等への影響の懸念、等の観点で、以下概要のとおり意見を提出した。
◆当協会意見の概要
・マクロ健全性目的のストレステストをORSAに含めて実施する旨の記載があるが、ORSAで実施するストレステストはミクロ健全性目的であり、保険会社自身のリスク評価をベースとして実施するものであることから、マクロ健全性目的のストレステストをORSAに含めることには違和感があり、当該文言は削除すべきである。(パラグラフ51)
・マクロ健全性の評価結果を踏まえて当局が保険者に対してリスクアペタイトステートメントの強化を求める旨の記載があるが、リスクアペタイトは各保険者のリスクに対する嗜好に合わせて作成するものであり、また各保険者の戦略に通じるものであるため、これに当局が関与することは適切ではなく、当該記載は削除すべきである。(パラグラフ156)
・マクロ健全性上の懸念に対処するために当局が保険者に対してシステミックリスク報告書の作成を求める旨の記載があるが、各保険者は他社の状況を含めたセクター全体の状況を把握できる立場になく、セクター全体の健全性の状況を踏まえて考えられる対応は監督当局により検討されるべきであること等から、当該記載は削除するか、報告書の作成者は監督当局とするよう修文すべきである。(パラグラフ162)
・保険セクターのシステミックリスクの規模は銀行等の他の金融セクターと比べて小さく、保険セクターがシステミックリスクの要因となる可能性は限定的である。システム上の重要性は、保険セクター単独ではなく金融システム全体で評価すべきである。(パラグラフ78)
・システミックリスクに対処するために監督当局が保持すべき権限や監督措置の具体例が列挙されており、「新規引受及び新商品の禁止」などかなり厳しい内容も含まれているが、監督当局の権限や措置は目的対比および状況対比で過剰なものとならないように、また各管轄区域における法制度等も踏まえたものとすべきである。(パラグラフ161)
詳細:https://www.sonpo.or.jp/news/notice/2021/ctuevu000000x8ii-att/attachment.pdf
※1 保険監督者国際機構(IAIS)の概要
1994年に設立され、世界約200カ国・地域の保険監督当局(メンバー)で構成。主な活動は以下のとおり。
1.保険監督当局間の協力の促進
2.保険監督・規制に関する国際基準の策定および導入促進
3.メンバー国への教育訓練の実施
4.金融セクターの他業種の規制者等との協力
※日本からは金融庁がメンバーとして参加しており、当協会もステークホルダーとして積極的に関与する方針を掲げている。
※2 アプリケーション・ペーパー(AP)
IAISが作成する文書の一類型。IAISの監督文書(ICP、ComFrame等)の特定のテーマにおいて、原則や基準の一律な解釈や適用が難しい場合に、事例やケーススタディを提供することを目的に作成される文書。助言や具体例、推奨、事例などを含む。

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