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損保ジャパン、自動運航船のリスクアセスメントに関する共同調査研究開始

損保ジャパンは日本海事協会と、操船関連のヒューマンエラー防止による安全性向上や船員の人手不足解消、作業負担軽減、労働条件改善等が期待されている自動運航船分野において、2月に共同でリスクアセスメント※の調査研究を行うことに合意した。
※ リスク分析・評価を行い、リスク軽減やリスク対応策を策定実施するリスク管理手法
操船関連のヒューマンエラーによる海難事故のうち6割以上が認知・判断段階に起因する事故であり、認知・判断段階のエラーを減らす操船支援技術等により、安全性の向上が期待されている。
2017年6月に政府が閣議決定した「未来投資戦略2017」では、2025年までに自動運航船
の実用化を目指すことを明記しており、2018年6月には国土交通省が実用化への3段階のロードマップを作成した。2025年までのフェーズⅡでは、最終意思決定者はあくまで船員であるものの、船上機器がシステムとして統合・相互に通信しながら一体的に機能し、高度なデータ解析技術やAI技術によって、船員がとるべき行動の具体的な提案を行うことを目指している。また、判断に必要な情報を視聴覚的に提示する船舶や、陸上からの船上機器の直接的操作も可能となる船舶建造も想定されている。※1
一方、自動運航船より先を見据えた無人運航船の実用化を目指している日本財団では、
「MEGURI2040」と命名した無人運航船プロジェクトを実施しており、2020年6月、無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラムとして5つのコンソーシアムへの助成を発表した。※2
2020年12月には国土交通省が自動運航船の実用化に向けた安全設計ガイドラインを発表した。今回のプレスリリース内容であるリスクアセスメントに関連する項目として「リスク評価の実施」も主な留意すべき事項として掲げられている。※3
自動運航船や無人運航船の実用化に向けた世界の動きは加速しており、日本でも官民が連携して開発を進めているが、安心・安全な船の航海の提供および国際競争力を維持するうえで、自動運航船の開発を後押ししていくことの重要性は今後ますます高まると考えられる。
また、自動運航船の開発を行う中で、リスクアセスメントを行うことは自動運航船にかかわるリスクを低減させ、自動運航船の実用化を早めることが期待できるため、精度の高いリスクアセスメントを構築することは重要といえる。
事故のない安心・安全な航海の支援と海上の自動運航船の早期実用化を目的とし、損保ジャパンは日本海事協会と自動運航船用リスクアセスメントの共同調査研究を行い、その成果を公表する。
※1 出典「未来投資戦略2017」
※2 出典 日本財団ホームページ
※3 出典 国土交通省ホームページ

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