損保ジャパン、アルプスアルパイン、キユーソー流通システムとの物流におけるパレット流出の課題解決に向けた共創を開始
損保ジャパンは、アルプスアルパイン株式会社(以下「アルプスアルパイン」)および株式会社キユーソー流通システム(以下「キユーソー流通システム」)と、物流におけるパレット流出の課題解決に向けた共創を2020年12月に開始した。
1.背景・目的
物流において利用される物流パレット(以下「パレット」)は、商品を載せて運送を行うための物流機器で、フォークリフト等を用いた仕分け作業に使われており、物流の効率化にかかせない存在となっている。国内におけるパレットの流通数は、年間数億枚と想定されているが、荷役・輸送・ 保管の業務効率化や働き手不足の解消に役立つ一方で、利用会社の管理から外れてしまう「流出」と呼ばれる状態がパレットを利用する物流・倉庫・製造業等の幅広い業界において共通課題となっている。
今回の取組みは、パレットを利用する個々の企業が抱える課題解決だけでなく、物流業界全体の業務効率化に貢献できるものと考え、今般、業界を横断して物流における当該課題の解決に取り組むこととなった。
2.取組みの概要
アルプスアルパインの物流資材を遠隔管理するIoTデバイス「物流トラッカー※」を、キユーソー流通システムが運用するパレット約200枚に装着し、実証実験を行う。
「物流トラッカー」から得られる、パレットの位置情報や移動履歴など稼働状況のデータを収集することで、想定していた利用ルートや保管場所と異なる場所にある流出したと推定されるパレットを特定し、利用履歴や流出原因の把握・分析を行うなど、実験で得られるデータをもとに、パレット利用にかかわる課題の解決を目指す。
※10年以上稼働可能かつ屋内外シームレスな位置情報の管理を実現可能にした位置情報検知機能付きのIoTデバイスである。輸送効率化や資材流出の低減、新規資材購入 費用の抑制効果などが認められ、欧州大手物流会社をはじめとする多くの海外企業に採用されており、既に約25万台以上の販売実績をあげている製品である。
<実証実験の期間>
2020年12月から6か月間を予定
3.今後について
損保ジャパンは、今回の実証実験を通じて得られるデータを活用し、パレットの流出を防止するための企業における内部管理手法の構築など、利用企業を支援するコンサルティングサービスを開発するとともに、パレットの流出等で発生する財務上の損失を補てんする保険商品について、2021年度中の発売を目指して検討していく。
これらの新商品・サービスの提供を通じて物流における課題解決を支援することで、物流に携わる業界のさらなる発展に貢献していくことを目指す。