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三井住友海上、「輸出食品専用保険」を販売開始

三井住友海上は、食品の輸出に必要な補償をパッケージ化した「輸出食品専用保険」の販売を11月から開始した。
本商品は、食品生産者・卸売業者を対象に、通常の外航貨物海上保険では対象とならない腐敗・品質劣化損害や温度変化損害を含めて、輸出食品に生じる損害を包括的に補償する。また、輸出先国の検疫で輸入不許可となった場合の損害や費用の補償もオプションで追加可能である。食品を輸出する際に生じるさまざまなリスクに対応し、これまで輸出が少なかった食品や日本国内各地の特産品を安心して輸出できるよう支援する。
三井住友海上は、今後も多様化するお客さまニーズに応える商品・サービスの開発を積極的に進めていく。
1.開発の背景
日本政府は2016年に「農林水産業の輸出力強化戦略」を発表し、農林水産物の輸出額を2019年に1兆円まで増やす目標を掲げて各種施策を実施してきた。2015年から5年連続で増加し、2019年実績では9,121億円となった。また、2020年4月には「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律」が施行され、食料・農業・農村基本計画等において、農林水産物・食品の輸出額を2025年までに2兆円、2030年までに5兆円に伸ばす政策目標を掲げている。
世界的な和食ブームや環太平洋連携協定(TPP11)、日EU経済連携協定(EPA)発効なども追い風となり、今後もさらなる輸出額の増加が見込まれる。
また、地方の中小企業が新たに輸出を開始することが想定されることから、保険の販売を通じた輸出支援によって、地方創生にも貢献することを目的としている。
2.本商品の概要
食品生産者・卸売業者を対象に、海外へ輸出する食品に生じる以下の損害を補償する。
(2)(3)(4)(5)については、一般的な外航貨物海上保険では補償の対象にならない。
(1)協会貨物約款(A)または協会貨物約款(Air)で補償される危険による損害
(2)常温・冷蔵貨物に発生した腐敗・品質劣化損害
(3)冷凍貨物の解凍等の温度変化損害
(4)(1)~(3)の損害に伴って発生した以下①~③の費用
①貨物に損害が発生した場合の残存物取片付け費用・廃棄費用
②代替品(ラベルのみを含む)の急送費用
③ラベルの修理・貼り直し費用
(5)輸入検疫の結果、輸入不許可命令が出されたことに起因して発生する本邦への積戻し費用※
※「輸入不許可担保特約」をセットした場合のみ補償する。
3.具体的な補償例
【リスク、補償対象、補償例】
腐敗・品質劣化損害、輸出者、・ドライコンテナ(冷凍・冷蔵装置のないコンテナ)で輸送したところ、輸入通関に想定以上に時間を要したことにより腐敗損害が発生した。
温度変化損害※1、輸出者、・リーファーコンテナ(冷凍・冷蔵装置を有するコンテナ)で水産物を輸送したところ、リーファーコンテナの故障により解凍損害が発生した。
輸入不許可命令による損害※2、輸出者、・輸入不許可命令により、輸入国政府から貨物を日本に返送するよう指示があり、返送費用が発生した。
※1:冷凍は貨物の保存温度帯が常に摂氏マイナス15度以下、冷蔵は保存温度帯が常に摂氏5度以下であることが前提条件である。
※2:「輸入不許可担保特約」のセットが必要である。

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