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東京海上日動、損保ジャパン、貿易プラットフォーム「TradeWaltz(R)」の運営会社に業界横断7社で出資

東京海上日動、損保ジャパン、NTTデータ、三菱商事、豊田通商、三菱UFJ銀行、兼松の7社は、貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz(R)」を運営する株式会社トレードワルツ(以下:トレードワルツ)への共同出資に合意した。
あらゆるモノの流れに付随する貿易業務には、取引の過程で多数の手続きが発生し、手作業での書類作成や整合性の確認作業等には、多大なコストがかかっている。また、複数の関係者が取引に介在しており、より正確かつ安全に情報を受け渡す仕組み作りは、業界の垣根を越えた共通の課題となっている。
これらの課題を解決するべく、2017年8月にNTTデータを事務局とした業界横断のコンソーシアムを発足し、商社・銀行・保険・船会社等の関係者と共に、デジタル技術を活用した貿易業務における事務処理の効率化、安全性の向上等について、議論を重ねた。また、2020年の税制改正では電子帳簿保存法が見直されるなど、政府も企業が作成する書類の電子化を積極的に促進している。
NTTデータは、コンソーシアム関係者間での検討結果等を踏まえ、ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」の開発を進めてきた。「TradeWaltz」の実用化が実現すれば、貿易に関わる全ての業務を一元的に電子データで管理することができるようになり、貿易業務の作業量を最大50%程度、削減できる見込みである。
「TradeWaltz」の運営・開発・管理は、2020年4月に設立したトレードワルツが担う。今般、トレードワルツに共同出資することに合意した7社が密に連携し、「TradeWaltz」の実用化、商業化に取り組んでいく。まずは、貿易業務の各種プロセスの中に、「TradeWaltz」を順次導入し、必要な機能の追加やシステムの強化を行う。将来的には、貿易文書の電子化を検討している国内外の政府機関やサービスプロバイダーと連携し、ASEANをはじめとした世界の貿易業務のデジタル化にも貢献したいと考えている。
長年課題となっていた非効率的な貿易業務を抜本的に解決するべく、私たちは今後も産業の枠組みを超えた協業を進めていく。
【関係者のコメント】
・NTTデータ取締役常務執行役員 松永恒
「世界的なデジタル化の中でも重要な貿易の領域において、ブロックチェーン技術を用いた革新的なプラットフォームであるTradeWaltzを、業界横断各社の知見を結集して世に送り出せたことを大変うれしく思います。引き続き本事業の国内外の展開を支えつつ、これを嚆矢(こうし)にデジタル時代の新しい社会インフラの整備に尽力してまいります。」
・三菱商事取締役常務執行役員CDO 村越晃
「三菱商事は日本の産業全体の生産性向上を目指し、デジタル化による産業構造の変革「産業DX」を戦略として掲げています。TradeWaltzはデジタル技術を活用し、貿易業務の飛躍的な効率化、諸外国の貿易基盤との連携を目指すプラットフォームです。当社は、貿易実務を担う荷主の立場から、関係者の皆様と共にTradeWaltzの発展に寄与して参ります。」
・豊田通商取締役副社長 柳瀬英喜
「コロナ禍により、世の中は紙などを用いたマニュアル業務からの脱却を求めております。特に貿易業界の業務においては、従来のやり方からデジタルテクノロジーを生かした貿易関連情報の電子化などのニューノーマルを構築する時がやってきたと思います。その世界の実現のため、当社も尽力する所存です。」
・東京海上日動副社長執行役員 岡田誠
「貿易関係者間で売買譲渡される貨物保険証券を、ブロックチェーンによってデジタル化することは世界で初めての取り組みであり、TradeWaltzに参加される皆様と共に、貿易実務の新しいプラクティスを日本発で世界に提示していきたいと思います。」
・三菱UFJ銀行執行役員決済ビジネス本部長 真鍋宜剛
「MUFGはTradeWaltzのプラットフォームを通じた安心・安全な貿易金融および貿易決済の電子化に取り組んでいくことにより、多数の地域と国にまたがるお客様の輸出入業務の拡大とプロセスの効率化およびスピード向上に貢献して参ります。」
・兼松取締役専務執行役員 宮部佳也
「商社の生業である貿易業務のデジタル化は、業務効率化のみならず、そのデータを利活用した事業創造、事業連携の基盤にもなり得ます。創業以来130年間で培ってきた貿易ノウハウとブロックチェーンの先進技術を組み合わせ、お取引様にとって安心で夢のある貿易プラットフォームをご提供すべく、取り組んでまいります。」
・損保ジャパン取締役常務執行役員 中村茂樹
「社会インフラとしてのTradeWaltzを成長させることで、共同出資する企業をはじめ貿易に携わるすべての関係者の連携が強化され、貿易業務の一層の高度化が進むものと期待しております。損保ジャパンは、海上保険のお引き受けを通して長年培ったノウハウを最大限に活かし、本取り組みに貢献してまいります。」
・トレードワルツ代表取締役社長 小島裕久
「共同事業化にご賛同いただいた企業の皆様とTradeWaltz事業の開始をご報告いたします。貿易書類100%電子化による事務の効率化、および貿易データの利活用による新たな価値提供に取り組みます。多くの利用者の皆様に向けて、安全・安心・円滑な貿易の実現を提供していく所存です。」
(注)SoftwareasaServiceの略で、ユーザーがインターネット経由で必要なソフトウェア機能を利用する仕組み*「TradeWaltz」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標である。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標である。

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