あいおいニッセイ同和損保、Tangerine(タンジェリン)社に出資
あいおいニッセイ同和損保は、2020年3月に東南アジアを中心にモビリティ領域で独自のAI事業を展開しているスタートアップ企業、TangerineInnovationHoldingInc.(以下「Tangerine社」)に300万USドル(約3.24億円)の出資を実施した。
1.背景・本出資の目的
昨今、自動車事故時の証拠映像の確保などを目的としてドライブレコーダーの装着率が高まっている。
ドライブレコーダーの中には、通信機能が付いており、急ブレーキ等を検知した時の映像を保険会社等のサーバーに送信するものがある。
お客さまサービスの向上や事務の迅速化を図るためには、受信した映像の中から事故に関するものだけを素早く検知し、迅速かつ能動的な事故処理をすることが必要であり、そのためにはAIの活用が必須と考えている。さらに今後、事故時の映像等をAIで分析することによる安全・安心に関するサービスへの期待がグローバルに拡大することが想定される。
そこで今回、モビリティ領域におけるAI開発に強みを持ち、東南アジアを中心にグローバルにビジネスを展開するTangerine社と提携・出資することとした。
2.Tangerine社の概要
Tangerine社は、開発拠点であるバンガロール(インド)にインド工科大学を卒業した優秀な技術者を多く抱えている。また、AI開発だけではなく、ハードウェア設計からデータ分析プラットフォーム・アプリケーション開発に至るまでの一連の開発体制を有しており、顧客のニーズに対して最適なサービスを迅速に提供できることを強みとしている。
例として、企業が保有する車両向けに、デバイスから取得した走行データや映像をAIにより分析し、事故削減やエコドライブのアドバイスを行うサービスを展開している。
【Tangerine社概要】
会社名 TangerineInnovationHoldingInc.
拠 点 シンガポール、パロアルト(米)、ニュージャージー(米)、バンガロール(インド)
登 記:米国デラウェア州
設立年月 2017年12月11日
創 業 者 KaushikThakkar氏(米/パロアルト)、SunijaRishi氏(シンガポール/バンガロール)
会 長 ArunKant氏(CEO,LeonieHillCapital)
主な事業内容:モビリティ領域におけるAIソリューション・データプラットフォームの提供
・ドライブレコーダー・センサー等ハードウェアの設計
・データ分析プラットフォームの開発
・モビリティ企業向けAIソリューションの提供
3.今後の展開
今後、同社はTangerine社をモビリティ領域のパートナーの一つとして、AIを活用したサービスの研究開発を進めていく。また、近い将来、自動運転車に搭載されるセンサーや高精度カメラから膨大な映像データが得られると推測される中、AIを活用した事故検知のニーズはさらに高まると思われる。同社は自動運転社会を見据え、Tangerine社と共に培うAIノウハウを最大限活用し、「安全・安心」なモビリティ社会の実現に貢献していく。