三井住友海上、デマンド交通を利用した「相乗り通勤」の実証実験を開始
三井住友海上、MS&ADインターリスク総研株式会社(以下「MS&ADインターリスク総研」)、大和タクシーコールネット株式会社(以下「大和タクシーコールネット」)、株式会社クスリのアオキ(以下「クスリのアオキ」)および株式会社未来シェア(以下「未来シェア」)の5社は、2月20日から、デマンド交通※1を利用した「相乗り通勤」の実証実験(以下「本実証実験」)を開始する。
本実証実験は、金沢市、小松市および周辺自治体を対象に、地域企業の協力により、三井住友海上のマイカー通勤者が「相乗り通勤」を行い、都市中心部の渋滞緩和等の交通課題解消や交通事故減少に取り組み、その有効性等を検証する。
※1:利用者のニーズに応じて、希望する時間に、指定の場所から場所へ移動可能な柔軟性に優れた交通手段である。
1.本実証実験の概要
マイカー通勤している三井住友海上の社員が、マイカーの代替としてデマンド交通(タクシー)を利用し、他の社員との「相乗り通勤」(出勤・退勤)を行う。実施内容は、以下のとおりである。
対象地域 金沢市、小松市および周辺自治体
実施期間 2020年2月20日~2020年3月末予定(小松市からスタート)
実施主体 三井住友海上(MS&ADインターリスク総研が運営をサポート)
協力会社 大和タクシーコールネット、クスリのアオキ、未来シェア
使用車両 大和タクシーコールネットが手配するタクシーを使用
*三井住友海上のドライブレコーダーとインカメラ※2を設置
デマンド交通未来シェアのデマンド交通システム「SAVS」※3を利用
※2:三井住友海上のフリート向けサービス「F-ドラ」(https://www.ms-ins.com/business/car/fdora/)のドライブレコーダーおよびインカメラを利用する(利用機能は一部に限定)。走行データの記録・分析により、デマンド交通特有のリスク分析、乗車時の行動確認、事故状況の記録等を行う。
※3:SmartAccessVehicleServiceの略。走行ルートを固定せずに需要に応じて乗合車両を走行させるシステムで、スマートデバイスとクラウド上のAIにより、リアルタイムに最適な配車・走行ルートを自動決定する。
2.各事業者の役割
(1)三井住友海上は、本実証実験の実施主体として、計画企画・立案、運営事務局、保険商品の提供(事故対応を含む)、ドライブレコーダーの提供、本実証実験の検証等を行う。
(2)MS&ADインターリスク総研は、三井住友海上の運営支援、本実証実験に関わるリスクの予測・評価・分析、リスク軽減のアドバイス等を行う。
(3)大和タクシーコールネットは、本実証実験で利用するタクシーの配車業務等を行う。
(4)クスリのアオキは、本実証実験の参加者が同社の店舗を利用した場合に特別ポイントを還元して「相乗り通勤」の利用メリットを提供する。
(5)未来シェアは、同社のデマンド交通システム「SAVS」を利用して、AIによる配車計画・推奨走行ルートの作成を支援する。
3.本実証実験開始の背景
地方中核都市では、マイカー利用率の高止まりを一因とする都市中心部における慢性的な交通渋滞が、地域交通課題の一つとして挙げられる。また、マイカー通勤制度を導入している企業では、社員の安全管理や事故時の労働力喪失、法的リスク、風評リスクなどのさまざまな課題を抱えるとともに、利用する社員も事故の心配や心身の疲労等を抱えている。
こうした課題への解決策として、「相乗り通勤」の活用が期待されているが、マイカー通勤に比べて柔軟性や利便性に欠けるなどの課題があり、導入事例は多くなかった。
こうした中、5社は、地域交通課題の解決を図るべく、デマンド交通を利用した「相乗り通勤」の実証実験を開始することとした。