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東京海上日動、航空サプライチェーン保険を活用した航空宇宙産業支援を開始

東京海上日動は、一般社団法人中部航空宇宙産業技術センター(以下「C-ASTEC」)と連携し、航空機部品・宇宙機器部品加工を行う中小企業向けの新たな専用保険を活用した独自の支援制度を開始する。
この取り組みは、航空機部品・宇宙機器部品加工に取り組む中小企業の事業の安定化と、航空クラスター形成(アジアNo.1航空宇宙産業クラスター)による国際競争力の向上を支援するもので、我が国の航空宇宙産業の発展に貢献、更には地方創生に寄与するものである。
1.背景
航空機産業は高い安全性が求められる産業であるとともに、我が国の産業全体に対する技術波及効果を持ち合わせる、高付加価値産業である。また、この産業は今後20年間で規模が2倍に拡大するといわれている成長産業である。
一方、航空機の製造事業者には、JISQ9100に基づく非常に厳格な品質管理が求められる点や、事業参入から安定的な収益の確保に長期間を要する点といった難しさがある。
また、昨今では、LCCの台頭や完成機体メーカー間の競争により製造事業者へのコスト削減要請や、国際競争の激化といった環境変化が起きている。
このような状況下、経済産業省や自治体が進める航空宇宙産業クラスター形成(一貫生産体制の構築)と海外企業との取引拡大に資する取り組みとして、東京海上日動とCASTECでは、国内の航空宇宙産業生産高の5割超を占める中部地域から、新たな専用保険を活用した独自の支援制度を開始することとした。
2.支援策の概要
東京海上日動が新たに開発した専用保険(航空サプライチェーン保険)では、保険による補償に加え、東京海上日動とC-ASTECが、製造者の部品加工ビジネスにおける事故情報を収集・分析し、事故防止策として還元していく。
(1)航空サプライチェーン保険
高額な材料や部品の破損による多額の損害発生など航空宇宙分野特有のリスクを補償することで、航空機部品・宇宙機器部品加工を行う中小企業の経営や、サプライチェーンの安定化に寄与する。主な特徴は以下の通りである。
①受託した部品加工中の損害を自社だけでなく協力会社委託中も含め一貫して補償。
②火災、風水災、盗難、輸送中の破損による損害に加え、これまで補償されてこなかった加工作業中の加工ミスや材料の不具合による損害を幅広く補償。
③輸送中に発生した損害の内、責任の所在が確定出来ず、負担を余儀なくされた損害も補償。
(2)事故防止提案
①破損事故の発生しやすい工程や作業を把握。
②事故の原因を東京海上日動独自の人間工学の知見とC-ASTECの技術情報を活用して分析し、再発防止の提案を実施。
3.今後の展開
今後、東京海上日動とC-ASTECでは、この取り組みを全国に広げ、日本における航空宇宙産業の更なる発展を支援していく。東京海上日動では、本取り組みで得られた知見を活用し、航空宇宙産業のサプライチェーンにおける更なる保険を検討していく。C-ASTECでは、会員企業と連携した更なる中小企業支援策を検討する。

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