三井住友海上、全社員対象の在宅勤務やテレワーク導入など「働き方改革」を開始

 三井住友海上は、すべての社員が活躍できる機会と場の拡大を目的に、新たな人財戦略の一環として「働き方改革」を開始した。
 「働き方改革」では、在宅勤務の拡充やテレワークの導入を中心に、社員1人ひとりの事情に配慮した職場環境を整備することで、多様で柔軟な働き方を推進する。同時に、会議の時間・回数の大幅削減、AI(人工知能)をはじめとする最先端技術を活用した業務効率化などを通じて、総労働時間の短縮を図り、さらなる生産性向上と競争力強化を実現する。さらに、2017年度以降には、育児休業中の社員の職場復帰を支援するための、ワークシェアリング制度の導入等も予定している。
◆多様で柔軟な働き方
 10月以降、各種制度の見直しを行い、社員1人ひとりが個性や能力を最大限に発揮できるよう、個人の事情に配慮した多様で柔軟な働き方を推進する。
▽在宅勤務(パイロット)
 対象社員の制限を廃止し、時間給社員を除く、全社員(導入初期は基幹職を中心とする)が在宅勤務制度を利用できるようになる。また、利用日数を拡大するとともに、業務開始時・終了時のルールを明確化するなど、さらに活用しやすい内容とした。対象人数は約1万3000人。
▽フレックス制度
 従来のフレックス制度では、「コアタイム」(必ず勤務しなければならない11時~14時の時間帯)を設定しているが、在宅勤務を利用する場合には、コアタイムを適用しない「コアなしフレックス制度」の導入を検討していく(2017年度以降)。
▽テレワーク(モバイルワーク)
 営業部門や保険金支払い部門を含む、すべての部門(約1万3000人)の社員を対象に、社外でも社内と同様のセキュリティレベルを保てるパソコン機器を配備。働く時間・場所を限定することなく、社員1人ひとりの事情に合わせた、生産性向上につながる多様な働き方を推進する。
◆業務効率化による生産性の向上
 「働き方改革」では、ソフト・ハードの両面で職場環境の整備を進める。「NO MORE 無駄・非効率」の取り組みを軸に、時間の創出や有効活用を進めることで、ワークライフバランスの向上と個人の能力強化を目指す。具体的には、社内資料の完全ペーパーレス化、会議の時間や回数を大幅に削減する会議1/2運動、AI(人工知能)をはじめとする最先端技術を活用した業務の効率化などを開始。
 また、「働き方改革」を社内風土として定着させるために、組織長のマネジメント力を強化する研修を新設するほか、本社部門に「働き方改革推進チーム(仮称)」を立ち上げる予定。専任社員が各部署を訪問し、取り組みが徹底されているかを確認するとともに、収集した意見・提言に基づく改善等を行う。
◆今後の展開
 2017年度以降に、ワークシェアリングの考え方を取り入れた「MSクラウドソーシング(仮称)」の導入を予定している。育児休業中の社員からの希望に応じて、会社が定例業務や企画業務などを発注することで、職場復帰に向けた支援を行っていく。また、生産性向上の観点においても突然の欠員や業務過多による総労働時間の増加を回避し、職場環境の悪化を未然に防ぐ効果等が期待できる。なお、本格展開に向けたパイロットは、16年度下期から開始。

関連商品