東京海上日動と熊本商工会議所、熊本県下の企業対象にBCP策定に関する調査を実施

 東京海上日動と熊本商工会議所は、熊本県下の企業を対象として事業継続計画(BCP)策定に関する調査を実施し、その結果を発表した。
 近年、企業等が自然災害等の緊急事態に遭遇した場合に、中核となる事業の継続・早期復旧を可能とするため、あらかじめ事業継続のための方法・手段などを取り決めておく、BCP(事業継続計画)策定の重要性が高まっている。これまで東京海上日動では、地域企業の事業継続により地域経済の安定的な発展に貢献するため、BCP策定を支援するワークショップの開催等による取り組みを通じて企業の事業継続への支援を行ってきた。そうした状況を踏まえ、両者は、相互に連携し、今年4月に発生した熊本地震において被災した地域の企業におけるBCP策定状況やその有効性について、実態を把握し推進に役立てることを目的として調査を実施した。
▽調査概要
〇対象:熊本商工会議所の会員企業1000社(うち、有効回答数715件)
〇調査方法:FAXおよび電話による聞き取り調査
〇調査項目:BCPの策定状況、熊本地震における事業への影響度、事業再開に要した概算費用等
〇調査期間:2016年10月13日~11月18日
▽調査結果(要旨)
〇震災により過半数(52.3%)の企業で、営業停止・操業停止期間が発生しており、熊本県下の多くの企業でBCP策定が必要となる状況が生じている。
〇過半数(55.6%)の企業が、調査実施時点でBCPについて知らないと回答しており、BCPの認知度に課題がある。
〇BCP策定済の企業においては、営業停止・操業停止期間が発生した割合が4割弱と、BCPを策定していない企業より17%以上低く、BCP策定が事業継続に有効に機能している。
〇今回の震災でBCPを活用できた企業において、「役割分担やルールが明確になっていたのでそれに沿って行動することができた。安否確認など連絡が取りやすかった(卸売業)」「各従業員が適時適確に順序通りに動けた(金融業)」「業務移管の手続きや連絡の順番などの流れが非常に役立った(旅行業)」等のポイントでBCPが有効に活用されている。
〇再開時に100万円超の費用を要した企業が約4割(39.1%)であり、資金面での備えの重要性を認識している。
〇BCPを策定できていなかった企業のうち、すでにBCPを知っている企業においては約6割(55.8%)に今後のBCP策定意向がある。

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