三井住友海上、4月から全社員対象の「19時前退社ルール」を開始
三井住友海上は、4月から「働き方改革」の一環として、全社員を対象とする「19時前退社ルール」を開始する。同社は、2016年10月に「働き方改革」を開始して以来、社員1人ひとりの事情に配慮した多様で柔軟な働き方を推進するため、在宅勤務の拡充や無駄・非効率の排除等を通じて、職場環境の整備に努めてきた。
4月からは、さらなる生産性向上と競争力強化を目指し、新たに「19時前退社ルール」を適用することとした。さらに、ルールの定着に向けて、勤務状況を管理するシステムを追加するなど、インフラ整備や人財育成ツールの新設・拡充を進めていく予定。この取り組みを通じて、これまで以上に限られた時間の中で生産性高く働けるよう、社員の意識・行動変革を図り、総労働時間の短縮を実現する。
今後、同社が「働き方改革」を通じて培ったノウハウなどを、法人顧客や保険代理店をはじめ、ステークホルダーに広く提供することで、社会的要請である長時間労働の是正に貢献していくとしている。
▽「19時前退社ルール」について
2017年4月以降、全社員が遅くとも原則19時までに退社するルールを導入し、社員1人ひとりの意識・行動を変革することで、総労働時間の短縮を実現する。
〇ルールの概要
やむを得ない理由がある場合を除き、19時までの退社を徹底する。繁忙期や緊急の顧客対応等の理由で、19時以降に残業しなくてはならない場合には、ライン部長宛の事前申請が必要。
〇ルールの徹底
人事部が中心となって、勤務状況を従来以上に詳細に把握・管理し、残業が恒常化している職場に対しては、必要に応じて、該当部署の状況に応じた個別対策を講じることで長時間労働を是正する。また、「働き方改革」を推進する専任チームが各職場を訪問し、運営状況を確認するとともに、職場の意見・提言に基づき各種ルールや運営の改善を行う。
▽ルール定着に向けた環境整備
〇無線LANの全店配備
ペーパーレスの推進による作業時間の削減やペーパーレス会議の徹底に向けて、同社の全拠点に順次、無線LAN(Wi-Fi)ルーターを設置する。
〇POPツールの配布
勤務状況を見える化するための卓上札を、全社員に配布する。部下・同僚の退社予定時刻や残業申請の有無が一目でわかるため、業務の指示・依頼の仕方を工夫することができ、生産性の高い働き方につながる。
〇残業申請システム、勤務状況管理システムの整備
19時以降に残業する場合の「退社時間延長」の申請・承認ができるシステムを整備する。あわせて、マネージャーが管下社員の勤務状況(平均業務終了時間・パソコン平均操作時間・退社時間延長申請の有無)を簡単かつタイムリーに把握できるシステムを追加する。
〇部支店マネジメント研修の拡充
マネジメント層向けに、部下が生産性高く働くための適切な指示や役割の与え方等をテーマとした研修を実施する。