東京海上日動、骨髄等ドナー向け保険の補償期間を延長
東京海上日動は、移植医療の1つである「DLI」(ドナーリンパ球輸注療法)を行った場合の、保険補償期間を4月1日から割増保険料なしで、現行の2年から7年に延長する。
白血病等の治療で、骨髄移植等を行った後、病気の再発やウィルス感染による合併症が起きた患者への有効な治療法として、ドナーのリンパ球を患者に輸注するDLIという方法がある。同社は、骨髄バンクがドナー登録の募集を開始した当初から、骨髄提供等やその後のDLIの提供にあたり、ドナーに生じた事故を補償する「骨髄バンク団体傷害保険」を引受幹事会社として行っているが、DLIの場合は、骨髄移植等から2年以内に実施された提供を補償の対象としていた。
一方で、完全に病気が治癒せずに、2年を超えて病気の再発や、合併症を起こしてしまうケースもあり、DLIの治療が患者に必要となった場合に、ドナーとなる人の精神的な負担を軽減するためにも、骨髄バンクから補償期間の延長を望まれていた。
同社では保険を通じてドナーとなる人が少しでも安心できる環境をつくることで、骨髄バンクの普及促進に寄与し、血液の病気で苦しむ人の治療のサポートにつながることなど、今まで患者の移植手術から2年以内としてきたDLIの補償期間を、骨髄バンクからの要請に基づき、割増保険料なしで7年に延長することにした。
骨髄バンクへのドナー登録者数は、今年2月末時点で46万9900人、患者登録者数3524人であり、これまでに骨髄バンクを通して移植手術を行った累計数は2万件を超えている。骨髄バンクでは、事業の普及啓発に努めているものの、ドナーとなれる年齢(55歳未満)を過ぎた人や、健康上の問題などを理由に、年間約2万人以上のドナーが引退となっており、ドナー登録者(とくに20代、30代の若年層のドナー)を増やすことが課題となっている。
なお、骨髄バンク団体傷害保険では、ドナーが提供にかかわる骨髄移植等、またこれに関連するDLIの採取などに伴う医療処置によって生じた事故について、保険金(死亡・後遺障害保険金、入院保険金、通院保険金)を支払う。