東京海上ホールディングス、生成AIを活用した業務基盤進化に向けたOpenAIと戦略的連携を開始
東京海上ホールディングスは、生成AIを活用した業務基盤の進化を目指し、米国OpenAI社(以下「OpenAI」)との戦略的連携を開始した。
東京海上グループにおける契約・照会・文書処理等多様な業務領域に生成AIを統合することで、社員一人ひとりの生産性向上と業務の高度化を図り、将来的にはAIエージェントを中核とする新たな業務基盤の整備と、顧客体験の向上を目指す。
1.背景・目的
大規模言語モデルは、自然な対話、要約、分類、構造化といった言語処理タスクにおいて、高精度かつ柔軟な対応が可能であり、多くの企業において業務変革の起点として注目されている。
同社グループにおいても、営業戦略の策定から保険事業のオペレーションに至るまで、生成AIを業務基盤の一部であるAIエージェントとして組み込むことで、グループ社員の生産性の抜本的な向上の実現に向けて取り組んでいる。また、新たな基盤をベースとしてAIと社員、代理店等が協働しながら、お客様一人ひとりに付加価値の高い体験を提供していくことを目指している。
この度のOpenAIとの戦略的連携は、同社の目指す姿の実現に向けた中核的な取り組みであり、信頼性が高いOpenAIの最先端のAI技術を活用し、同社グループの保険およびソリューション事業における価値提供力の向上を一層加速させることを目的としている。
2.戦略的連携の概要
OpenAIは、ChatGPT EnterpriseやGPT-5等、世界最高水準の大規模言語モデルを基盤とした生成AIを開発・提供しており、グローバルでの豊富なユースケースを通じたモデルの高度化と最適化に強みを持っている。
同社はOpenAIより戦略構築・技術支援を受けながら、AIモデルを活用して国内外のグループ会社の業務プロセスの高度化・自動化に取り組んでいく。具体的には、AIがグループ各社内の複数の業務アプリケーションを横断的に操作し、データ処理や定型業務を正確かつ迅速に自動化することを目指す。また、お客様との接点においては、AIが顧客データに基づいてパーソナライズされた体験と迅速なサービス提供を実現する。
最初のステップとして、東京海上日動の全国の営業部店で策定する営業戦略において、ChatGPTのDeep Researchを活用して各地域の人口動態や課題をはじめとした地場情報を自動で収集するとともに、東京海上日動が保有する保険商品、ソリューションの情報等をAIが統合して施策を立案すること等を想定している。エリアごとの特性・情報を踏まえることで、全国の営業部店において、お客様のニーズ、課題に対して一層寄り添った提案が可能になると見込んでいる。
3.今後の方針
グループ各社において得られた知見や成果は、他のグループ各社や関連部門にも横展開することで、技術の共通化、開発の効率化等につなげていく。
今後も同社グループは、生成AIをはじめとする先端技術を最大限活用し、「お客様や社会の“いざ”をお守りする」存在として、社会に新たな価値を提供し続けていく。