損保ジャパン、事故車両調査員の夏を救う、ペルチェベスト導入で熱中症リスクを軽減
損保ジャパンは、熱中症リスクを軽減するため、炎天下での事故車両調査を行う社員に7月にペルチェベストを配備し、夏場の労働環境改善に着手した。6月施行の改正労働安全衛生規則への対応に加え、健康経営を推進する一環として、社員の健康と安全を最優先に考え、今回の対策を実施した。
1.目的・背景
近年の厳しい夏場の暑さの中、事故車両調査を行う立会専任社員(約350名)の熱中症リスクを軽減するために、熱中症対策を強化することを決定した。
2.取組み概要
熱中症発症リスクを軽減するため、以下の対策を実施する。
①冷却デバイスを装着したペルチェベストの採用
これまで、社員からは、立会調査時にファン付きベストを着用した場合に、車を傷つける可能性があるという懸念の声が上がっていた。そこで、高い冷却効果と車への配慮を両立できるペルチェベスト※を採用した。
また、ペルチェベストに加え、インナーとして着用可能で保冷剤を使用したアイスベストも選択肢とし、社員の希望に応じて配備した。業界では、ファン付きベストの導入事例はありたが、ペルチェベストやアイスベストなど、大切な車を扱う車両調査の業務特性に適した対策品の支給は、損保ジャパンが初めての試み(損保ジャパン調べ)となる。
※ペルチェ素子という電気を流すと片面が冷え、もう片面が熱くなる素子を利用している。この特性により、電源を入れると数十秒で冷え、血管が太い部分を集中的に冷却することができ、全身のクールダウンとなり、作業中の集中力と持続力が向上し、調査の効率化が期待できる。
②健康管理体制の強化
本社の健康管理部門は、熱中症リスクの高い業務に従事する立会専任社員を個別管理できるようになり、熱中症発症リスクに関する注意点(基礎疾患がある場合の注意点、始業前の体調確認など)を再周知することで、健康管理体制の強化に繋げる。
3.今後について
今後は、毎月実施する健康に関するアンケートを元に、健康状態や対策品の効果検証を行う。また、2026年度からは、立会専任社員には、早期(4~5月)の健康診断を推奨し、暑さが本格化する前に産業医が結果を確認のうえ、希望者には、保健師から生活習慣を含めた具体的なアドバイスを実施する。
今回の熱中症対策は、社員の健康と安全を守るだけでなく、立会専任社員の働きがい向上と優秀な人材の確保が期待される。損保ジャパンは、「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」というパーパスのもと社員が安心して働ける環境づくりを今後も推進していく。