レスキュー損保、置き配盗難保険を販売開始
レスキュー損保は2025年7月3日より、置き配の盗難被害などを補償する、置き配盗難保険を販売開始した。
1.置き配盗難保険を開発した背景
日本の物流は、いわゆる2024年問題(トラックドライバーの時間外労働の上限規制により、労働時間が短くなることで輸送能力が不足する問題)が深刻化することが見込まれている。政府は2024年度までに再配達率を6%まで引き下げる目標を掲げていたが、国土交通省によれば、国内大手の宅配便の再配達率は2025年4月時点で8.4%となっているとのことである。
こうした中で、国土交通省では2025年6月26日に「第1回ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」が開催され、再配達率の高止まりによる宅配事業者の負担の増加や、ラストマイル配送を取り巻く諸課題に対応するための方策について議論が行われた。今後、国土交通省が公示する標準運送約款に置き配が盛り込まれることが想定されている。
一方で、置き配は屋外に商品が置きっぱなしになるため、盗難されるリスクがある。
置き配盗難保険があれば、万一盗難被害に遭った場合でも保険金を受け取ることができるため、置き配の普及に貢献できると考え、保険商品を開発するに至った。
2.置き配盗難保険の特徴
同社は、置き配の定義を「入居物件の敷地内の被保険者が指定した場所(玄関前、置き配バッグ、宅配ボックス、車庫、物置など)に配達業者が非対面で動産を届けるサービス」と普通保険約款に定め、置き配が盗難に遭ったときに損害額を補償する。
一般的な火災保険や家財保険では、住宅の軒下に置かれた配送物の盗難は補償対象で、軒下では無い場所の配送物の盗難は補償対象外であるが、同社の置き配盗難保険は軒下であるか否かにかかわらず補償することが特徴である。
3.置き配盗難保険の保険料
保険金額 10万円/20万円/30万円/40万円/50万円
月額保険料 4.7円/6.1円/7.0円/7.6円/8.0円
*上記保険金額は、置き配の盗難および自宅内の動産の盗難も含まれる。
*上記保険料は、1被保険者あたりの保険料である。
*被保険者は個人に限る。被保険者の同居人も補償される。
4.置き配盗難保険の販売方法
個人の意思で加入できるタイプの保険ではなく、事業者が保険契約者となり、事業者の商材に置き配盗難保険が付帯するタイプの保険である。例えば、カードに付帯する保険や、EC事業者の会員サービスに付帯する保険などのイメージである。
5.同社の概要は以下の通りである。
同社は2019年7月29日に開業した新しい損害保険会社である。スマートフォンの修理費用保険や賃貸住宅入居者向けの家財保険などを販売している。