三井住友海上、【人事改革】「スキル型人事制度」を導入
三井住友海上は、4月1日から、日系大手金融機関として初めて、「スキル型人事制度」を導入する。
同社は、改革にチャレンジする風土と言える企業文化を醸成し、「社員一人ひとりが希望する仕事やキャリアを、スキルを手段として自ら掴み取る機会や成長・貢献実感を得られる会社」を実現するため、全社を挙げた人事制度の改革(以下「人事改革」)に取り組んでいる。その一環で、人財育成だけではなく、人事考課、報酬、異動・昇進運営など、すべての人事制度・運営に関して、スキルの習得・発揮を評価基準として重視する「スキル型人事制度」の導入を決定した。
本制度を通じて、スキルを共通言語として、全社員参加で個の力・つながる力・組織の力を最大限発揮することで、真のお客さま本位を実現し、最もお客さまから選ばれる保険会社を目指していく。
1.人事改革の目指す姿
従来の年功的・会社主導・ゼネラリスト志向から、スキル重視・社員主導・プロフェッショナル志向の人事制度・運営に移行し、年功序列等の積年の課題の打破を図る。
2.スキル型人事制度の全体像
年齢・性別等を問わず、部門や上下の役割を超えて全社員を相互につなぐ共通言語であるスキルを基軸に、人財育成だけではなく、人事考課、報酬、異動・昇進運営など、すべての人事制度・運営に関して、スキルの習得・発揮を評価基準とする点が大きな特徴である。
<従来制度からの主な変更内容>
■新等級制度
~スキルとジョブ(仕事)をベースとした制度に変更~
・年功色の強い役割区分(部長、課長、課長代理、主任等の区分)を廃止
・職責・スキルを重視したジョブ区分・プロ人財区分・ジョブグレードを新設
・会社主導の異動から、公募による異動を人事異動の中心に変更し、原則、少なくとも4年に1回は公募に応募する運営を開始
・昇進(ジョブグレード変更)は、年次重視から、職責・スキルを重視する運営に変更
■新評価制度
~スキルを軸とした適切な評価・納得感を成長につなげる~
・行動評価を、スキルを軸に評価基準をより明確にしたスキル・行動評価に刷新
・大人数組織における管理スパンを適正化し、納得感の高い評価運営を行う観点から、ライン長から権限委譲を受け評価等を担うアシスタントマネージャーを新設
■新報酬制度
~スキルの習得・発揮がより報われる制度に変更~
・スキル・行動評価の結果が毎年昇給判定に反映する仕組みに変更(従来は数年おき)
・転居不可の社員の地域別の処遇差を廃止
・スキル手当の新設・拡充(高度専門資格手当、DX・CX手当、その他資格等手当)
3.今後の展望
社員のスキル習得・発揮によるレベルアップをお客さま対応力の強化につなげる。また、公募制度により、年齢や役職にかかわらず、自身のやりたい業務を通じてキャリアを磨ける環境を構築する。
このような取組みを通じて、一人ひとりが従来以上に自分の仕事の価値を問い続け、スキル習得・
発揮していくことを目指す。
2024年度通年で全店トライアルを実施した結果、自己研鑽プログラム申込件数は前年度の3倍となった。このような行動変容がお客さまへの質の高いサービス提供につながるため、今後も継続的にスキル重視の人事制度・運営に向けた環境整備や積極的な人的投資を行っていく。