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損保ジャパン、ビッグモーター社による一連の不正事案に関するお客さま対応(その4)を発表

損保ジャパンは、ビッグモーター社(株式会社ビッグモーター、株式会社ビーエムホールディングス、株式会社ビーエムハナテンの3社をいう)による自動車保険金の不正請求については、保険金不正請求を防げなかったこと、事故にあわれた大切な車の修理に際してお客さまにビッグモーター社の自動車修理工場を紹介していたこと、お客さまの大切な車に損傷が加えられていた可能性があったことを極めて厳粛に受け止めている。
9月1日に公表している、お客さまのお車の安全性点検の取組みに加えて、不正請求防止に向けた体制強化の取組みを進めている。現時点における取組みの内容について発表した。
同社は、ビッグモーター社で修理をされたお客さまの不安の解消と不正請求の被害にあわれたお客さまの被害からの回復を最優先として、引き続き、各種取組みを全力で進めていく。
1.不正請求防止に向けた損害調査体制の強化
損保ジャパンは損害の調査や損害額の認定にあたっては、同社職員が事故による損傷の範囲や程度を確認し、修理工場と修理方法について打ち合わせを行い、見積書を作成あるいは修理工場が作成した見積書を精査したうえで修理費を認定している。
同社は損害調査において、修理見積の信頼性の高い一部の修理工場に対して画像伝送調査で一部の工程を省略した簡易調査を実施していたが、画像伝送調査の業務フローの見直しを行い、全ての画像伝送調査事案に損害調査担当者(技術アジャスター)が関与し、見積書と画像を確認したうえで修理費の適切性・妥当性をチェックする体制に変更した。修理費のチェックにおいてはAI技術を用いた修理見積チェックシステムを補助ツールとして活用し、従来以上に技術アジャスターによる細やかなチェックを実施している。また、不正の疑われる事案や損害の不明瞭な事案においては、速やかに立会調査へ切り替えを行い、不正請求防止に向けた体制と牽制機能の強化を行う。
2.不正請求防止に向けたデジタル活用
(1)事故対応プロセスへの抜本的な見直しと不正検知スキームの導入
事故対応における各プロセスを、お客さま保護の観点から一から見直し、新たなプロセスの導入を前提として悪質な修理工場による不正を検知可能なスキームの構築を目指す。
その一環として、被害車両の様子を簡単に撮影できるツールを開発中。これにより工場入庫前の被害状況を記録・保全した上で、修理工場が撮影する写真と比較・解析し、損害箇所に差異が発生していないか検知することにより、損害の作出等を行う悪質な修理工場による不正への牽制・対策を図る。
(2)修理内容データを活用した対策
修理工場に関して保有している車両の損傷画像や修理見積書、修理内容等の様々なデータを基に各修理工場のモニタリング・不正検知が出来るようなモデルの構築を検討する。これにより、技術アジャスターによる、より詳細な損害調査が必要な事案の見極め、不正疑義事案の早期発見を目指す。
3.今後の対応
同社は、ビッグモーター社で修理をしたお客さまの一日も早い被害回復を目指して、今後も、あらゆる手段を検討し、実行していくとしている。

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