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東京海上日動、日本IBMデータ活用による産業・エネルギー関連インフラの産業保安力や安全性向上に貢献する協業開始

東京海上日動、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下「日本IBM」)は、このたび産業・エネルギー関連インフラにおける産業保安力や安全性の向上に貢献する協業を開始する。
具体的には、インフラ設備を有する事業者が策定する保全計画の高度化・着実な遂行を支える保全データを活用し、計画外保全の費用を補償する新たな保険商品(以下「本保険」)および付帯サービスの開発を目指す。
1.背景
工場稼働のためのポンプ・発電機・電源設備などといったインフラ設備を有する事業者は、設備の高経年化、技術・技能継承力の低下、人材の高齢化とその長期的な不足、自然災害の激甚化等といった様々な課題に直面しており、適切なインフラ設備の保全計画の実行を通じて事業継続を確実にする社会的責任が年々増している。また、経済産業省が産業保安に関する主体的・挑戦的な取組みを「スマート保安」として掲げ、高度な保全・保安取組みを実施する事業者への認定制度を設けるなど、国としても事業者の取組みを促している。
一方、適切な保全計画の実行に当たっては、膨大な設備の全体像を踏まえた効率的かつ効果的な保全計画の立案や、計画外の保全が発生した際における予算確保が課題となっている。
2.各社のこれまでの取組み
東京海上日動は、事故の未然防止や事故発生後の早期復旧支援などインフラ設備の持続的な保全・保安にかかる様々な取組みに力を入れてきた。また、日本IBMは設備状態や故障発生確率を分析し、設備稼働率・製造効率の向上やメンテナンスコストの削減を推進してきた。
今般、東京海上日動と日本IBMは、東京海上日動が持つインフラ設備の保険引受やリスクマネジメントに関するノウハウと、IBMが強みとする設備保全管理プラットフォーム「IBMMaximo(R)Application Suite(以下「Maximo」)※1」を用いた信頼性中心保全※2のノウハウなどを融合することで、予防保全・産業保安の推進に向けた新たな価値創造として、設備保全データを活用した新たな保険商品および付帯サービスの開発を目指すことに合意した。
※1 Maximo Application Suiteは、資産管理データベース、AIを活用した作業支援、計画外作業を減らすための予知保全、設備の状態を管理するためのモニター機能など、保全作業の高度化を目指すためのあらゆるコンポーネントが単一プラットフォームで提供されたソリューションになる。
※2 信頼性中心保全とは、1960年代に米国ボーイング社・ユナイテット・エアライン社及び軍関連の組織によって開発された保全手法「Reliability Centered Maintenance」の和訳であり、日本でも昨今取り入れられている設備管理手法の1つである。
3.取組み概要
東京海上日動および日本IBMは、数社を対象とした実証実験を通じて、本保険および付帯サービスの開発を進める。本保険および付帯サービスの提供を通じて、お客様の保全計画の最適化による全体コスト削減の実現を目指す。
(1)保全計画立案サポートサービスの提供~保全計画スタート前での付加価値提供~
・お客様の設備ごとの使用状況や工場運営における各設備の影響度といった保全データと、東京海上日動が持つインフラ設備のリスク情報等を組み合わせ、Maximoの活用を通じて分析・評価し、優先的な保全が望ましい設備対象を特定・レコメンドするサービスを開発していく。
・これにより、保安部門の計画策定の省力化、計画外保全の発生率削減サポートを目指す。
なお、当該サービスは本保険の付帯サービス等による提供を予定している。
(2)計画外の保全に伴い発生する費用の保険化~保全計画スタート後での付加価値提供~
・本保険は、東京海上日動がMaximoを活用し分析した設備スコアリング等を用いて、計画外保全に伴い発生する計画外保全費や緊急対応費用など想定外のコストを保険金として支払う。
・期初時点で万全の保全計画を立案しても、予見できずに計画外の保全が発生し、保全計画全体が影響を受ける実態がある。
・計画外保全にかかる費用を保険としてあらかじめ予算に組み込むことで、計画外の事由が発生した際にも、保全計画の着実な遂行を経済面で支える。
4.今後の展望
東京海上日動と日本IBMは、先ず今年度に実証実験を始め、2023年度中の本保険および付帯サービスの提供を目指し、開発を進めていく。
両社は、企業・自治体などの幅広いお客様と共に、持続可能な社会の実現に向けた歩みを着実に進め、今後も我が国が抱える様々な社会課題の解決に貢献していく。

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