東京海上日動、企業や健康保険組合を対象に「不妊治療費用等補償保険」を販売
東京海上日動は、企業や健康保険組合を対象に、従業員の特定不妊治療にかかる費用負担の軽減を目的として、11月1日から「不妊治療費用等補償保険」の販売を開始する(2017年4月1日以降の治療を対象とする)。同社では、企業や健康保険組合等を対象に、この商品を幅広く案内することを通じて、不妊治療と仕事の両立に向けた福利厚生制度の構築を支援していく。
不妊治療費用等補償保険は、企業や健康保険組合等が契約者となり、契約者が社内規定等に基づき従業員に給付する費用を保険金として支払う内容で、企業の福利厚生制度等として活用できるよう企業・健康保険組合の構成員全員を補償の対象とする(従業員本人に加えその配偶者も対象となり、男性不妊治療についても補償対象となる)。公的助成制度と同様に「特定不妊治療」を補償対象の治療範囲とし、企業の社内規定等に応じて所得・年齢の制限なく、公的助成制度を補完する形で、治療により実際に生じた自己負担額を補償することが可能。加えて、特定不妊治療を行った人が切迫早産等の妊娠に関連する特定疾病で30日以上の入院をした場合には、一時金を支払う。
結婚年齢、妊娠・出産年齢の上昇や医療技術の進歩に伴い、近年不妊治療の受診者数が増加している。一方で、体外受精や顕微授精(特定不妊治療)は健康保険制度の対象外で治療費は全額自己負担となっており、不妊治療を受ける人の経済的負担が大きくなっている。不妊に悩む人の経済的負担の軽減を目的として、高額な特定不妊治療の一部を助成する公的助成制度が2004年に創設されているが、定額の給付であることや年齢、回数の制限などが設けられていることから、助成金だけでは治療費を賄うことができず経済的な理由により不妊治療を躊躇したり、延期したりするケースも生じているという現状がある。
今年6月に閣議決定された「ニッポン1億総活躍プラン」においても、不妊治療に関する支援の検討が盛り込まれるなど、今後出産・育児世代を社会全体で支援していくことが必要になっている。こうした社会的背景も踏まえ、同社では、企業や健康保険組合において、不妊治療と仕事の両立に関する制度構築の一助として活用してもらえるよう不妊治療費用等補償保険を開発することにした。