新日本保険新聞社・シンニチ保険WEB

東京海上日動、ドローンとAIを活用した保険金支払いに関する取組を開始

東京海上日動は、Airoboticsco.,Ltd(以下「Airobotics社」)と連携し、ドローンで撮影した画像を人工知能(AI)で解析することで、損害調査から修理費の算出までを行う取組みを開始する。
主に工場や倉庫で発生した被害に対して実施し、お客様への迅速な保険金の支払に繋げていく。
1.背景
近年の自然災害の大規模化や多発化等により、個人の住宅や家屋だけではなく、企業のお客様が所有・管理する工場や倉庫でも、大きな被害が発生している。
自然災害等により、工場や倉庫が損害を被った場合、被害の状況を確認する対応においては、保険会社の査定担当者や損害鑑定人が現地で立会調査を実施し、被害の状況の調査結果、現場の写真、被害額の見積書等を元に、支払う保険金額を算定・精査し、保険金を支払う。
工場や倉庫では、特に屋根や屋上の被害を確認する際に、担当者の危険を伴うことから、詳しい損害調査が容易でない場合がある。また、大規模な物件になると、査定担当者が全ての損傷箇所を調査するまでに一定の時間を要していた。
上記の理由から、同社はドローンのようなテクノロジーを活用し、正確かつ迅速に損害調査から修理費の算出を行い、お客様に保険金を支払う取組みを検討してきた。
2.取組みの概要・効果
同社はドローンによる空撮技術や、画像のAI解析に強みを持つAirobotics社と連携し、ドローンで撮影した複数の画像を人工知能(AI)で解析することで、迅速に損害調査から修理費の算出までを行う取組みを2019年6月より開始する。
Airobotics社が所有するドローンで撮影した工場や倉庫等の空撮画像を繋ぎ合わせて、正確に損害箇所や損害状況が把握できる画像データを作成する。作成した画像データをAIが瞬時に解析し、自動的に具体的な損傷状況や損害額を迅速に算出する。
AIには、お客様からの同意に基づき撮影した大量の画像データ、及び損害鑑定人等による画像診断結果を学習させることで、精度を向上させることができる。
3.期待される効果と今後について
ドローンによる空撮画像をAIが自動で解析し損害額の算出までを行うことで、被害に遭われたお客様から見積り等を受領し、同社の損害鑑定人が報告書を作成する工程を大幅に効率化することができる。鑑定人による調査で、通常1ヶ月程度を要する保険金の支払い期間を大幅に短縮し、被害に遭われたお客様に、迅速に保険金の支払いができる。
また、損害鑑定人の繁忙度が増すことが想定される広域災害の発生時でも、ドローンによる損害調査を導入することで、より迅速かつ多くのお客様の物件に損害調査を実施することができる。
本取組みは、主に企業が所有・管理する工場や倉庫等で発生した損害に対して実施しているが、今後、個人の住宅・家屋などの被害に対しても応用できるかを検討していく。
同社は引き続き、お客様に寄り添った損害サービス対応を行っていくと共に、最先端のテクノロジーを活用することで、更なるお客様満足度の向上に向けて取り組んでいく。
<Airobotics社の概要>
本社所在地  イスラエルテルアビブ
代表     ラン・クラウス
設立年    2014年
主な事業内容 完全自律ドローンおよびAIデータ解析ソフトウェアの研究開発と販売
従業員数   約150名

関連記事(保険業界ニュース)

損保

あいおいニッセイ同和損保、テレマティクス自動車保険アプリを活用した観光促進と交通事故削減に関する共同実証実験を開始

生保

大同生命、「加島屋」の創業から400年を記念し各種企画を展開

損保

アニコム損保、健康割増引制度の適用不備にもとづく保険料返還について

損保協会・団体

損保協会、損害保険会社に係る個人情報保護指針に基づく対象事業者4社に対する指導を実施

損保

三井住友海上、住宅に関する商品・サービス革新に向けたプロジェクト始動

生保

ソニー生命、経済産業省令和5年度補正「ライフステージを支えるサービス導入実証等事業」に係る取組結果を公表

生保

エヌエヌ生命、「オランダスタディツアー2025」の参加者を募集開始

生保協会・団体

生保文化センター、「医療保障ガイド」改訂

損保

アニコム損保、犬の笑顔をAIで判定し紹介するサイト『世界えがお博覧会』を公開

損保

三井住友海上、照会応答機能の高度化に向けた業務特化型LLMを開発