三井住友海上、スマートウォッチを活用した自動車・労災事故防止サービスの提供開始
三井住友海上と株式会社enstemは、専用スマートウォッチで取得する生体データを分析することで、ドライバーや現場作業員の体調異変等を常時把握し、自動車事故や労災事故を未然に防ぐサービスを本日から提供開始する。
両社は本サービスを通じて、社会生活の維持に欠かせない貨物・旅客運送業や製造・建設・倉庫業などの安全な労働環境整備を支援するとともに、持続可能な社会の実現に貢献していく。
1.背景
近年、少子高齢化や人手不足等を背景とする高齢就業者の増加、気候変動に伴う夏季の気温上昇など、従業員の安全確保に向けて企業が対応すべきリスクが増加・多様化している。
貨物・旅客運送業ではドライバーの健康に起因する自動車事故が増加傾向にあり、「物流の2024年問題」等を背景とする労働環境整備が進んでいる。また、製造・建設・倉庫業などの作業員を中心に熱中症や転倒事故も増えている。2025年6月には改正労働安全衛生規則が施行され、熱中症のおそれがある従業員の早期発見や熱中症の重篤化を防ぐ対策を講じることなどが義務化された。
これらの課題解決に向け、今般、三井住友海上が提供する「補償前後のソリューション※」にenstemの専用スマートウォッチを活用した2つのサービスを追加し、全国の保険代理店を通じてより多くの企業に提供していく。
※三井住友海上オフィシャルサイト「補償前後のソリューション」
保険本来の補償機能に加え、事故の未然防止や事故発生後の早期回復を支援するサービスである。
2.概要
(1)Nobi for Driver(ドライバー向け)
・スマートウォッチでドライバーの生体データを取得・分析する。無自覚の体調の異変や眠気等の危険兆候を検知すると、振動やメッセージでドライバー・企業の管理者にアラートを発信する。
・位置情報等のデータを掛け合わせ、ルート上の危険箇所を可視化したり、ドライバーの運転状況をリアルタイムに確認できる。
・ドライバーのアラート発生傾向をenstemの専任スタッフから管理者へフィードバックすることで、管理者からドライバーに対する体調を気遣う声掛けや、季節ごとの危険兆候を踏まえた効果的な注意喚起を促し、企業の事故防止意識の醸成を支援する。
(2)MAMORINU(作業員向け)
・スマートウォッチで作業員の生体データを取得・分析する。熱中症リスクの高まりや集中力低下、体調異変につながる継続的な高負荷作業といった危険の兆候を検知すると、振動やメッセージで作業員・企業の管理者にアラートを発信する。
・転倒・転落を検知できるほか、作業員自らスマートウォッチでSOSを発信できるため、管理者による迅速な緊急対応が可能である。
・生体データに加え、工程ごとの作業時間や作業負荷等を可視化・分析することで、作業現場の実態を踏まえた労働環境の整備や業務改善を支援する。
3.今後の展開
MS&ADインシュアランスグループでは、最先端のテクノロジーや事故データ等を活用することで、あらゆる業界の事故防止や労働環境の整備に貢献する商品・サービスの開発に取り組んでいく。