あいおいニッセイ同和損保、伊藤忠商事と米スタートアップのMOTERTechnologiesが戦略的資本提携
あいおいニッセイ同和損保の米国子会社で保険ソフトウェア※1開発等を行うMOTERTechnologies,Inc.(以下、「MOTER」)は、伊藤忠商事株式会社(以下、「伊藤忠商事」)と、資本・業務提携契約(以下、「本資本業務提携」)を締結した。
※1 車載器等にインストール可能なリアルタイムにリスク分析・保険料計算を行うソフトウェア
1.本提携に至った背景
近年、自動車業界ではCASEに代表される技術革新が急速に進展し、保険業界においてもデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速している。これにより、モビリティ領域において個々の顧客のリスクに応じた保険商品や、テクノロジーを活用した事故を未然に防ぐための先進的なサービスへのニーズが高まっている。そこで今般、グローバルに幅広い事業基盤を持つ伊藤忠商事のネットワークを活かして、最先端のデジタル技術を活用した保険サービスの開発・提供を加速すべく、MOTERと伊藤忠商事は本資本業務提携に至った。
※2 Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared&Services(シェアリングとサービス)、Electric(電動化)
2.目指す姿
本資本業務提携を通じて、MOTERの最先端のテクノロジーを活用したデジタルプラットフォームや保険商品の開発力と、伊藤忠商事が50年以上国内外で培ってきたリテール保険分野の知見・基盤を掛け合わせることで、革新的な保険・金融サービスの創出を目指す。これにより、世界最大の保険市場である米国における両社のプレゼンスを強化し、顧客に最適化された保険関連サービスを提供することで、持続可能なモビリティ社会の実現を目指す。
3.提携内容
(1)将来的に可能性を模索する取組領域
1)リテール保険領域
MOTERのデジタルプラットフォームと、伊藤忠商事が国内外で展開するリテール保険分野(ほけんの窓口グループの運営やタイ・ラオスで損害保険事業を展開するThaivivatInsurancePCL.への出資等)の技術や知見を融合し、次世代自動車保険事業を米国・アジアで展開
2)再保険領域
伊藤忠商事の再保険子会社との協業を通じて、MOTERは米国で展開する自動車メーカー向けブランド保険プログラムの拡大、伊藤忠商事は再保険事業の拡大を2026年までに目指す
3)提供サービスの高度化
伊藤忠商事が出資する個人向け健康保険流通プラットフォームNeoInsuranceSolutionsLLC等との協業を通じて、次世代保険・金融関連サービスの開発と付加価値向上を2026年までに目指す
(2)本資本提携について
出資完了日 2025年8月
出資の概要 MOTERが第三者割当増資により伊藤忠商事に対して株式を発行
<各社からのコメント>
■伊藤忠商事株式会社 情報・金融カンパニー金融・保険部門 長川内野康人氏
“この度、MOTERとの資本提携が実現したことを大変うれしく思います。MOTER社への出資を通じて、同社の技術や知見と当社のグローバルネットワーク及び再保険スキームを融合させ、日系企業では最大規模となる保険流通・仲介事業者として一層の成長を目指します。また、米国・アジアにおける次世代自動車保険市場への事業展開も加速してまいります。”
■MOTERTechnologies,Inc.Founder&CEO 藤井謙治氏
“伊藤忠商事という、日本を代表する総合商社と提携できたことを心より光栄に思います。伊藤忠商事が持つグローバルな事業基盤や豊富なネットワークは、MOTERの技術とサービスの高度化を大きく後押ししてくれるものと考えています。本提携を通じてMOTERは、保険・モビリティ業界における新たな価値創造をさらに加速させ、より安心・安全な社会の実現に貢献していきます。”
<MOTERの概要>
MOTERは、ソフトウェア・ファーストの概念を取り込んだ保険ソフトウェアの研究開発を行うべく、2021年4月にあいおいニッセイ同和損害保険株式会社の100%出資子会社として米国カリフォルニア州に設立されました。IoT端末などのデバイスそのものでデータ処理・分析を行う複数のコンピュータを利用した計算処理の概念「エッジコンピューティング技術」やコンピュータビジョンを活用し、車載器に搭載可能な保険ソフトウェアおよびEVや自動運転車両に対応した次世代型保険商品・サービスを開発している。