あいおいニッセイ同和損保、ハレックスおよび大江戸温泉物語と浸水対策の高度化に向けた浸水予測ソリューションの実証実験を開始
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あいおいニッセイ同和損保、株式会社ハレックス(以下「ハレックス」)、大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社(以下「大江戸温泉物語」)は、浸水予測ソリューションの開発に向けた実証実験を8月から開始する。
本実証実験では、「気象予測」と「リアルタイム浸水データ」を掛け合わせた新しい浸水予測モデルの開発および、浸水予測モデル・アラートの有効性等を検証する。2026年度中の製品化・販売開始を目指し、浸水被害の未然防止や、避難行動の促進など、災害に強い施設・地域づくりの実現に貢献する。
■背景
近年、気候変動の影響により自然災害の激甚化・頻発化が進んでいる。特に、浸水被害は深刻化しており、令和5年の水害被害額(確報値)は全国で約7,100億円※1に達するなど、企業や自治体に深刻な影響を及ぼす重要な社会課題となっている。
浸水被害を未然に防ぐためには、避難経路の確保や機器の移設などが不可欠であり、「いつ・どこで浸水が発生するのか」を事前に把握できる浸水予測の高度化が求められている。一方、現在の気象予測は広域的な降雨傾向の把握に留まり、特定地点における浸水発生の予測精度には限界があることや、リアルタイムでの浸水状況の把握が課題となっている。
そこで、気象×ITで価値創出を目指すハレックスと、「CSV×DX」を通じて事故の未然防止に取り組むあいおいニッセイ同和損保は、気象予測と浸水センサの実測データを掛け合わせ、浸水予測をリアルタイムで可視化する仕組みの構築を進めている。
今般、ハレックスとあいおいニッセイ同和損保は、減災対策を推進している大江戸温泉物語の協力のもと、宿泊施設を実証フィールドとして3社共同で実証実験を実施し、浸水被害の軽減と防災力の向上に資するソリューションの実用化を目指す。
※1 国土交通省「令和5年の水害被害額(確報値)」
■実証実験の概要
・災害発生前のリードタイムを確保した「気象予測情報」と現地の浸水状況を正確に把握する「リアルタイム浸水データ」を掛け合わせることで、精度の高い浸水予測を行う。
○実施期間 2025年8月~10月末(予定)
○実施場所 大江戸温泉物語Premiumホテルニュー塩原(栃木県那須塩原市)
○実施内容
・施設内に浸水センサを設置
・ハレックスが提供する気象予測データと浸水センサのリアルタイムデータを統合し、Web 上で閲覧できる浸水予測サイトを構築
・浸水リスクが高まった際にはメールによるアラート通知を施設関係者に自動配信
○各社の主な役割
<ハレックス>
・浸水予測モデルの構築および浸水センサ・Webサイトの運用
<あいおいニッセイ同和損保>
・ソリューションの企画および実証全体の統括
・過去の浸水被害やBCP対応に関するヒアリングおよび実態調査
・施設のリスク評価に基づいたセンサ設置位置の助言
・防災・減災に資する保険・サービス開発の視点から効果を検証
<大江戸温泉物語>
・実証フィールドの提供および実運用面での評価
■今後の展開
3社は、本実証を通じて得られた知見をもとに、実用性・汎用性のある浸水予測ソリューションの製品化・社会実装を目指し、それぞれの強みを持ち寄りながら地域の災害対応力・備えの向上に寄与する取り組みを継続する。
ハレックスは、浸水予測精度の更なる高度化に取り組み、2026年度中の製品化・販売開始を目指し、本ソリューションの開発を進める。あいおいニッセイ同和損保は、保有する事故データをもとに、浸水予測精度の高度化に向けた支援を行っていくほか、災害対応ノウハウを活用し、自社ネットワークを通じて企業や協定先自治体、学校等へのソリューション導入支援を行う。大江戸温泉物語は、宿泊施設を起点とした防災対策の高度化に取り組み、観光業における防災意識の向上と、安全・安心な環境整備を目指す。