三井住友海上、MS&ADインターリスク総研、福祉避難所の開設・運営を後押しする新たな補償・サービスを開発
三井住友海上とMS&ADインターリスク総研は、自然災害の被災地における福祉避難所※の開設・運営を後押しする「福祉避難所に関する損害賠償責任補償」および「福祉避難所受入検証訓練」を開発した。
両社は、本補償・サービスの提供を通じて、大規模災害時において福祉避難所が抱えるリスクを緩和し、災害時の安心・安全な環境整備に貢献するとともに、1日も早い被災者の生活再建を後押ししていく。
※避難生活において特別な配慮を必要とする高齢者や障がい者などを対象に開設される避難所
(出典)内閣府・防災情報のページ「福祉避難所の確保・運営ガイドラインの改定(令和3年5月)」
1.背景
昨今、激甚化・多発化する自然災害により、避難生活の長期化が想定されている。このような中、高齢者や障がいのある方、妊産婦、乳幼児などの要配慮者は、生活環境が十分に整備されていない避難所での生活による体調悪化等の懸念から、着実な生活再建に向けた民間の福祉避難所への避難が推奨されている。
一方で、民間事業者にとって、経済的負担や人的資源の確保、災害対応の複雑さ、社会的責任の大きさなどが、福祉避難所運営の障壁となっている。これらを解消し、要配慮者の避難先における安心・安全な生活環境を維持していくために、本補償・サービスの開発に至った。
2.概要
(1)福祉避難所に関する損害賠償責任補償
〇保険契約者:市区町村
〇被保険者:
・市区町村
・市区町村と協定を締結した福祉事業者
・福祉事業者の監督または指揮のもとに市区町村の業務に従事する者
〇補償内容:
災害発生時に開設された福祉避難所における施設・設備・用具等の管理不備や、介護業務におけるミスが原因で、避難者(要配慮者等)や第三者の生命や身体を害したり、財物を損壊したことに対して被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害。
〇支払限度額:身体障害・財物損壊それぞれ1事故につき1億円
(2)福祉避難所受入検証訓練
〇受講対象:福祉避難所を運営する民間事業者(自治体単位で開催)
〇概要:
提示された課題への対応方法を検討する、ディスカッション形式の訓練。
個人ワークでは、自社施設における福祉避難所の開設・受入手順に関する課題を検討。
グループワークでは、自社施設の運営ルールや取組みを共有し、他の参加者と意見交換。
プログラムイメージ:合計120~150分の机上訓練
<講義>
福祉避難所の役割、訓練の目的、訓練方法の説明
<訓練(個人ワーク+グループワーク)>
テーマ例①:避難者の受け入れに必要な設備・備品の確認
テーマ例②:施設内での避難者の受け入れスペースの確認
テーマ例③:避難者の受け入れに必要な人員やその他必要事項の確認
<解説・振り返り>
講師による解説・振り返り
3.今後の展望
MS&ADインシュアランスグループは、より多くの自治体における災害時の安心・安全な環境整備に貢献するため、本補償・サービスをグループ一体で展開していくことを検討していく。