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日本地震再保険、2025年3月期決算を発表

日本地震再保険は、2025年3月期決算を発表した。
1.事業の概況
(1)事業の経過及び成果等
2024年度の我が国経済は、内需については円安や人手不足の影響による価格転嫁で個人消費が伸び悩んだものの、インバウンド需要が好調であったことなどから堅調に推移したが、外需については輸出鈍化とサービス輸入増がマイナスに働き、総じて緩やかな成長となった。また、賃上げ・物価上昇の持続性の高まりを受けて、日本銀行による政策金利の引き上げが行われるなど金融政策正常化が進んだ。
このような情勢の中、当年度の正味収入保険料は、2022年の料率改定に伴う中途更改の反動減からの回復等により、前年度比で増加した。一方、正味支払保険金及び損害調査費については、令和6年能登半島地震に係る支払いにより、前年度比で大幅に増加した。なお、前年度計上した支払備金の取り崩しにより、発生ベースでは前年度比で減少した。
資産運用については、運用資産が増加する中、為替ヘッジコストの高止まりから為替関連の収支が悪化した一方で、国内金利上昇に伴う利息及び配当金収入の増加により、運用益は前年度比で大幅に改善し、税引運用益は前年度の運用損からプラスに転じた。
2024年度にスタートした第7次中期経営計画では、「サステナブルでレジリエントな制度の構築」、「適切なリスクテイクによるリターンの向上」、「有事の支払態勢の強化」及び「地震災害に対する社会のレジリエンス向上」に取り組んでいる。また、これらの施策の遂行を支える経営基盤の強化として「人的資本経営の実現」、「ERM・ガバナンス・SDGs対応の進化」「デジタルテクノロジーの活用」にも注力している。
(2)地震保険成績の概要
①正味収入保険料と正味支払保険金
収入保険料から出再保険料を控除した正味収入保険料は2,840億円(前年度比7.5%増)となった。一方、正味支払保険金は957億円(前年度比240.8%増)となった。
②危険準備金と責任準備金
正味収入保険料から受再保険手数料等を控除した正味保有保険料2,047億円と税引運用益6億円の合計2,054億円を積み増し、正味支払保険金、損害調査費、広告宣伝費等の合計453億円を取り崩した結果、当年度末危険準備金は5,910億円(前年度比37.1%増)となった。
この危険準備金に未経過保険料積立金を加えた結果、当年度末責任準備金は9,272億円(前年度比23.7%増)となった。
③元受保険会社等の危険準備金
受託金勘定の元受保険会社等の危険準備金については、差引正味保険料5億円を積み増し、広告宣伝費及び運用損の合計14億円を取り崩した結果、当年度末危険準備金は103億円(前年度比7.8%減)となった。
(3)資産運用の概要
資産運用にあたっては、同社の資産運用方針に基づき、流動性、安全性を第一義とし、これに収益性を加味して運用に取り組んでいる。
当年度末の総資産は、発生ベースの保険金の支払いが限定的だったことから、9,374億円と前年度比で13.0%増加した。また、主な運用資産は、預貯金が1,091億円、有価証券が7,405億円となっている。
主な収益は利息及び配当金収入35億円、主な費用はヘッジの為替予約に関する金融派生商品費用12億円、為替差損12億円となった。
なお、同社では外貨建債券の購入にあたって、高水準の為替ヘッジを行っている。
(4)当年度損益(資本勘定)
当年度の損益については、利息及び配当金収入にその他の項目を加減算し、法人税及び住民税を控除した結果、1百万円の当期純利益となった。

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