三井住友海上、ドライブレコーダー映像を活用した消防・救急活動の実証実験を開始
三井住友海上は、同社が開発した専用ドライブレコーダーで取得した映像データを消防・救急活動に活用するため、トヨタ自動車株式会社、大阪府堺市と共同で5月31日より実証実験を開始する。
同社は「ドラレコ・ロードマネージャー」をはじめとするドライブレコーダー映像データを活用したソリューション提供を通じて、提供価値を変革し、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいく。
1.背景
交通事故や火災等で消防・救急活動を行う際、119番通報だけでは発生現場の状況を適切に把握できないという課題があった。そのため、2023年10月25日から、トヨタ自動車と堺市は現場付近を走行する車両のドライブレコーダー映像を活用する実証実験を行っている。
今般、同社は本実証実験用に専用ドライブレコーダーを開発し、本取組の実装に向けた実証実験に参画する。
2.取組の概要
同社は、本実証実験用に開発した専用ドライブレコーダー10台を堺市消防局管内を走行する同社の社有車に搭載し、取得した映像をトヨタ自動車が開発したシステムに提供することで、堺市消防局の迅速かつ適切な消防・救急活動につなげていく。
<役割と狙い>
三井住友海上
・本実証実験用に開発した専用ドライブレコーダーが取得した映像を、トヨタ自動車が開発したシステムに提供する。
・本取組を通じて、同社が提供するドライブレコーダー映像データが、さまざまな社会課題の解決に貢献することを検証する。
トヨタ自動車
・開発したシステムを堺市消防局の消防指令センターに提供する。
・本取組を通じて、社会課題の解決、よりよい暮らしの実現を目指しており、モビリティ社会の究極の願いである「交通死傷事故ゼロ」、そして、「いい町・いい社会づくり」への貢献を進める。
堺市
・消防局の消防指令センターでトヨタ自動車が開発したシステムを活用し、現場の映像を確認することで、迅速かつ適切な消防・救急活動を行って被害を最小限に抑えることにつなげる。
3.プライバシー・個人情報への配慮
本実証実験では、ドライブレコーダーの映像データ提供において、以下に配慮する。
・堺市消防局より閲覧要望のあった地点・時間のみ、プライバシーへの配慮を行った映像データを提供
・同局で映像は保存せず、トヨタ自動車のシステムを経由し、一時的な閲覧のみに制限
・映像に映り込んだ人や車両の個別追跡、行動特性や移動傾向等の分析を禁止
①消防指令センターのオペレーターが映像の必要有無を判断する。
②トヨタ自動車が開発したシステムで災害・事故発生地点を検索する。
③GPS情報を利用し、災害地点付近を走行するドライブレコーダー搭載車両を選定する。
④対象車両のドライブレコーダー映像を取得する。
⑤ドライブレコーダー映像を確認し、発生地点の詳細・正確な情報を把握する。
⑥消防署に情報を送信し、迅速かつ適切な消防・救急活動を行う。