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SBI生命、社内サービスデスク業務のAIオペレーター対応を開始、本人確認を声紋認証で行う仕組みも導入

SBI生命は、情報システム部の社内サービスデスク業務の一部を、AIオペレーターが対応するアプリケーションを開発し、運用を開始した。
1.背景と概要
これまで、SBI生命の社内サービスデスクでは、社内システムの問合せを有人対応で行ってきましたが、社業の拡大に伴う問合せ内容の複雑化や入電数の増加により、従来の有人対応では、スピーディな社内サービスを提供することが難しくなっていた。
この度、SBI生命では、生成AIを活用した業務効率化や顧客サービスの向上に取り組むなかで得た高度な知見を活かして新たなアプリケーションを開発し、社内サービスデスク業務の一部を、これまでの有人対応からAIオペレーターによる運用にシフトした。
2.AIオペレーターの概要
今般の対応により、一例として、アカウントロック解除に関する入電対応の際には、AmazonConnectVoiceIDによる声紋認証での本人確認から、アカウントロック解除、管理者向けの作業完了通知、監査上必要となるチケット起票までの一連のプロセスが完全に自動化された。
またアプリケーションの開発にあたり、以下のような工夫や機能の実装を行っている。
・GPT-4※1のFunctioncalling機能を利用し、声紋登録、アカウントロック解除、FAQ回答といった異なる業務機能の適切な理解と振り分けを行っている。
・サービスデスクのFAQに対する回答・応答においては、AmazonLexとGPT-4のFunctioncalling機能を組み合わせることで、生成AI特有のハルシネーション※2
を制御している。
・テキストをリアルな音声に変換するAmazonPollyによる回答を、自然で理解しやすい形に整えるためにAmazonBedrock上でClaude※3
を活用し、ユーザーにとって分かりやすく正確なサービス提供を可能としている。
※1 GPT-4:米OpenAI社が提供する大規模言語モデル
※2 ハルシネーション(Hallucination):
事実とは異なる説明を、さも事実であるかのように流暢に説明するという好ましくない特徴のこと。
※3 Claude(クロード):米Anthropic(アンソロピック)社が提供する大規模言語モデル
4.今後の展開
今後は、社内サービスデスクにおけるAIオペレーターの対応業務の範囲を、順次拡大する予定である。また社内サービスデスク業務に加え、お客さま対応を行うコールセンターの業務についても、順次、AIオペレーターへシフトし、お客さまサービスの向上や社内の業務効率化を図るほか、災害等でオペレーターが事業所に到着できない際、AIオペレーターが即座に応答できるような事業継続計画(BCP)の体制整備を強化していく。

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