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あいおいニッセイ同和損保、救急車のテレマティクス(走行)データを活用した実証実験を開始

あいおいニッセイ同和損保は、搬送対象者・救急隊員の負担・リスク軽減を支援する「救急車向け安全運転マネジメントサービス」の開発に向け、同社が提供するテレマティクスタグ※1(以下、専用車載器)から取得できる救急車の走行データを活用した実証実験を、7月より兵庫県三田市で開始する。
※1 5cm四方大きさで、様々な走行データを記録できる車載器。専用アプリをダウンロードしたスマートフォンに自動で記録が送信される
1.背景
2021年の全国における救急車出動件数※2は約620万件(対前年比 4.4%増)と、約5秒に1回の割合で出動しており、今後も高齢化等の影響により、出動件数は増える見込みである。
一方、救急隊員は、出動件数の大小に関わらず、一刻も早く搬送対象者を医療機関等に搬送することが求められている。また、救急車を運転する際は、事故を起こさないことに加え、搬送対象者や救急隊員の負担・リスクを減らすため「車両の揺れを抑えながら迅速に搬送する」という高度な運転技術が必要とされている。
そこで同社は、兵庫県三田市と連携し、救急車の走行データを活用した搬送対象者・救急隊員の負担・リスク軽減を支援する「救急車向け安全運転マネジメントサービス」の開発に向け、実証実験を実施することとした。
※2 総務省消防庁「令和4年度版消防白書」より引用
◆救急車の急ブレーキ等の揺れが搬送対象者や救急隊員に与えるリスク
<搬送対象者に与えるリスク>
・嘔気や嘔吐の誘発
・血圧・頭蓋内圧の変動
・疼痛の増悪 等
<救急隊員に与えるリスク>
・転倒等の負傷
・処置の遅れ、失敗
・疲労の増加 等
2.概要
(1)実証実験の概要
本実証実験は、救急車に専用車載器を搭載し、走行データの収集・分析を行う。具体的には、急ブレーキ発生の日時、地点等の運転挙動データと、急ブレーキを発生させた救急隊員の機関員歴等の属性や、天候等外部環境との相関性について分析や、救急隊員の勤怠データやバイタルデータ等との相関検証を行う。
<場所>兵庫県三田市
<期間>2023年7月~2024年3月
<対象車両>三田市消防本部の救急車:5台
<対象者>三田市消防本部に所属する救急隊員:70名
(2)救急車向け安全運転マネジメントサービスについて
救急車の走行データを可視化し、急ブレーキの発生要因を分析することで、搬送ルートにおける危険箇所のマッピングや救急隊員への指導・研修、分析結果を踏まえた出動体制の見直し等、最適な安全運転マネジメントの提案を行う。安全運転マネジメントの提案に向け、「救急隊の現場到着時間短縮シミュレーション※3」を展開するSmart119と協業し、Smart119が保有する過去の救急出動データと同社が保有する自動車走行データを掛け合わせることで、データに基づく出動体制の最適化を目指す。
※3 AIの活用により過去の救急出動データから救急需要を予測し、救急隊・救急車の最適配置を促すソリューション
3.今後の展開
本実証実験を通じて救急車向け安全運転マネジメントの有用性が確認できた場合、2023年度中に事業化し、2024年度中に全国10消防本部以上への展開を目指す。

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