損保ジャパン日本興亜、自動運転車に対応した自動車保険の新たな補償を提供
損保ジャパン日本興亜は、自動運転技術やコネクテッドカー(インターネット回線と接続し、ICT端末としての機能を有する自動車)の普及に対応するため、自動車保険において「被害者救済費用特約」の新設と、「無過失事故の特則」の改定を行い、今年7月1日以降始期契約を対象に提供を開始する。
被害者救済費用特約は、「THEクルマの保険(個人用自動車保険)」「SGP(一般自動車保険)」に新たに自動セット(対人賠償責任保険または対物賠償責任保険が適用された契約に限る)、これによる追加保険料は発生しない。また、無過失事故の特則は、現在も車両保険に自動セットされており、今回の改定により補償範囲が拡大するが、保険料の変更はない。
自動運転技術は、高齢者や過疎地における移動手段の確保、物流業界の人材不足解消、交通事故の削減、交通渋滞の緩和など様々な社会的効果が期待されることから、国内外でこの技術の早期実現に向けた研究・開発が進められており、国内においては自動運転技術を搭載した自動車(アクセル・ブレーキ・ハンドルの複数の操作をシステムが同時に行う車がすでに自動車メーカー等から市場投入)やコネクテッドカーが普及しつつある。
現在実用化されている自動運転機能は、運転者自身が運転することを前提とした「運転支援技術」であり、事故が発生した場合には原則として運転者が責任を負うものとされている。そのため、現時点では、運転者が法律上の損害賠償責任を負わない事故が発生する可能性は低く、大半のケースにおいては現行の対人賠償責任保険と対物賠償責任保険で保険金を支払うことが可能。しかし、昨今の技術進展の早さやサイバー攻撃の増加等を背景にリスクが多様化していることから、運転者の損害賠償責任の有無が明らかでなくその確定に時間を要するケースが想定される。
このような場合において、自動運転技術を搭載した自動車やコネクテッドカーを利用する運転者に引き続き安心を提供し、「迅速な被害者救済」「事故の早期円満解決」を図るため、運転者に損害賠償責任がない場合でも保険金を支払う被害者救済費用特約(自動セット)を新設した。
さらに、システムの不具合や第三者の不正アクセスなどによる事故で運転者に過失がない場合には、自動車保険の継続契約の等級に影響しないようにする無過失事故の特則(車両保険に自動セット)を改定することにした。
◆商品概要
▽「被害者救済費用特約」の新設
契約の自動車の欠陥・不正アクセス等により人身事故または物損事故が発生した場合で、運転者等の被保険者に法律上の損害賠償責任がなかったことが確定(法令・判例等に照らして法律上の損害賠償責任がなかったと損保ジャパン日本興亜が判断した場合を含む)したときに、被害者に生じた損害(被害者に生じた損害額のうち、被害者自身の過失により生じた損害額を控除した額)について被保険者が負担した費用を支払う特約を新設する。この特約で保険金を支払っても継続契約の等級には影響しない。
▽車両保険「無過失事故の特則」の改定【業界初】
現在は、車両保険において、相手自動車との衝突・接触事故、かつ契約の自動車の運転者および所有者に過失がない場合は事故後の継続契約における等級に影響しない仕組みとしている(例:相手自動車の「追突」「赤信号無視」など)。今回の改定では、衝突・接触の対象物を自動車以外にも拡大する。これにより、「契約の自動車の欠陥・不正アクセス等に起因して自動車以外(ガードレール・家屋など)と接触した場合」などでも継続契約の等級に影響しない仕組みとなる。