三井住友海上、企業向けインデックス型「天候指数保険」を販売開始
三井住友海上は、10月1日以降始期契約より、天候不順や異常気象等に伴う企業の利益喪失や費用支出を補償する「天候指数保険」の販売を開始する。本商品は、天候データ(気温・雨・風・雪・日照等)に基づき、損害調査を実施することなく、速やかに定額の保険金を支払うインデックス型※の保険商品である。
※損害と因果関係のある指標(インデックス)があらかじめ定めた基準を満たした場合に、損害調査を実施することなく、速やかに定額の保険金を支払う方式。
1.背景
近年、気候変動等を背景とする天候不順や異常気象により、あらゆる産業で天候リスクが顕在化している。一例として、農業では日照不足や低温・高温による収穫量減少、レジャー産業では悪天候による来客数減少といった損害が想定される。これらのリスクを外部移転するニーズが拡大する一方、従来の実損を査定して支払う保険では、損害査定が難しくお客さま・保険会社双方にとっての負担が大きいことや、火災保険等で補償される財物損害を伴うリスクを除き、十分な補償提供が難しいことが課題となっていた。
「保険金の迅速なお支払いが可能」「保険の有責・無責判断の透明性が高い」といったインデックス保険の特長は、天候リスクとの親和性が高く、プロテクションギャップ解消への貢献も見込めることから、上記課題の解決に向けて開発した。
2.「天候指数保険」の概要
(1)概要
契約時に補償を希望する天候指標や観測地点等の契約条件を設定する。観測された天候データが契約条件に定めた基準を上回った、もしくは下回った場合、実際の損害の有無や程度にかかわらず、契約時に定めた金額を保険金として支払う。
(2)契約条件の設定例、保険金支払い例
屋外レジャー施設の「顕著な高温による売上減少リスク」を対象とする場合
観測地点 A地点(事業活動への影響が想定される対象施設の最寄り観測地点)
保険期間 2026年7月1日~2026年9月30日(92日間)
天候指標 A地点において観測期間中に「日最高気温35℃以上」を観測した日数
免責日数 20日
支払条件 指標が免責日数を1日上回るごとに単位保険金を支払う
単位保険金 1,000千円/日
支払限度額 50,000千円
本契約条件における保険金支払い例
①A地点において日最高気温35℃以上を観測した日が【40日】の場合
(40日-免責日数20日)×1,000千円=20,000千円
②A地点において日最高気温35℃以上を観測した日が【80日】の場合
(80日-免責日数20日)×1,000千円=60,000千円
(支払限度額が50,000千円のため)=50,000千円
3.今後の展望
同社は、今後も新商品・サービスの開発・提供を通じて、レジリエントでサステナブルな社会を支えていく。
なお、本商品は、2027年4月を目途に予定している、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社との合併新会社においても販売を継続していく。