東京海上日動、元保険募集人による金銭詐取および保険料の一時流用が発覚
東京海上日動では、同社の委託代理店に所属していた元募集人が金銭詐取および保険料の一時流用(※1)を行っていた事実が判明した。
※1 保険料の一時的な流用:契約の保険料として募集人が預かった金額を一時的に他の目的で流用し、その後、同額を募集人が補填していたケースとなる。
1.事案の概要
(1)行為者(元募集人)氏名:
橋本秀夫(はしもとひでお、67歳)、橋本葉子(はしもとようこ、69歳)
(2)代理店:2006年3月23日~2025年3月28日
有限会社橋本総合保険コンサルト(所在地:茨城県石岡市東田中)
なお、当該代理店については既に代理店委託を解約している。
(3)不正認定日:2025年3月28日
(4)不正が行われた期間:2007年4月~2025年3月
(5)金銭詐取および保険料の一時的な流用の金額:
・金銭詐取の金額:合計約650万円
・保険料の一時的な流用の金額:合計約970万円
(6)行為類型:
本事案では、以下の行為が確認されている。行為者はいずれも、同社所定の領収証ではなく、偽造したものを用いて、金銭を受領している。
①行為者がお客様に実在しない保険商品(積立傷害保険)への加入を持ち掛け、その保険料を現金または行為者の私的な銀行口座に振り込ませることで受領し、詐取していたもの。
②お客様から保険料を現金または行為者の私的な銀行口座に振り込ませることで受領し、同社に精算するまでの間、一時的に流用していたもの。
(7)お客様への対応状況等:
金銭詐取の被害に遭われたお客様については、同社が被害額の全額を弁済し、行為者に求償することとしており、順次、対応を進めている。また、警察への相談および監督官庁への届け出も行っている。
2.発覚経緯および調査内容
2025年3月26日、同社コールセンターに、お客様から「積立傷害保険に加入しているが、満期日である5月28日で契約を終了し、満期返戻金を受け取りたい。」との申し出があった。
現在、積立傷害保険は販売中止となっていることから、同社は行為者に対する調査を開始し、3月28日に、一部のお客様について、前述1.(6)のような不正行為が発覚したものである。
その後、行為者およびお客様への確認や、契約と入出金の照合等を通じて、事案の解明に努めてきた。
なお、現時点で、上記以外にお客様の認識と異なる保険契約や架空契約は確認されていない。
3.再発防止策について
本事案を踏まえ、同社ホームページを通じて、同社指定の銀行口座以外への入金は控えること、また、お客様の事情等により、例外的に現金領収する場合には、同社の社印のある所定の領収証を発行することとしており、それ以外の私製領収証は不正であることをお客様に周知していく。
代理店に対しては、募集人が販売停止となっている架空商品を案内したり、私的に所有する銀行口座へ保険料を振り込ませる等の不適切な行為を行わないよう指導するとともに、代理店に対する業務実態の把握や点検を強化することで再発防止を図っていく。また、解除該当契約(※2)となる直前に保険料が払い込まれた契約の点検を実施することで、同様の不正行為を早期に発見するとともに、更なる牽制を図っていくことも検討している。
同社は、本事案を厳粛に受け止め、社員、代理店のコンプライアンスに関する研修や点検を徹底し、皆様からの信頼回復に努めていく。
※2 解除該当契約:
口座振替契約の場合、2ヵ月連続で振替不能等のため保険料の入金がなく、次の1ヵ月の間に保険料の入金がなければ、解除となる契約をいう。クレカ・コンビニ・請求書払契約の場合、払込期日までに保険料の入金がなく、次の1ヵ月の間に保険料の入金がなければ、解除となる契約をいう。