SBI損保、アルティウスリンク、自動車事故受付センターにおけるCX向上を目指し、生成AI活用の実証実験を開始
SBI損保とアルティウスリンク株式会社(以下「アルティウスリンク」)は、自動車事故受付センターにおける顧客体験(CX)向上を目的に、「Altius ONE for Support」(※)を活用した生成AIの実証実験を共同で開始した。
SBI損保では、SBIグループの事業構築の基本観の一つである顧客中心主義を徹底する中で、DXの推進により業務効率化を図るとともに、CX向上に取り組んでいる。今回の実証実験では、アルティウスリンクが提供するコンタクトセンターを起点としたデータ活用プラットフォーム「Altius ONE for Support」を通じて、「オペレーターの後処理時間の短縮」「VoC(VoiceofCustomer:お客さまの声)と顧客満足度の相関分析」「VoCからの商品・サービス改善要望抽出」における生成AIの有用性を検証する。1,300社以上のコンタクトセンター運用実績があるアルティウスリンクのCX向上メソッドを生かすことで、業務効率化による高い電話応答率を維持するとともに、データに基づくオペレーションの最適化と商品・サービスの改善を図り、CX向上を目指す。
生成AIを活用したVoC分析に基づく顧客満足度に影響する要因の特定、および商品・サービス改善につなげていく金融業界において先進的な取り組みとなる。
【実証実験の概要】
■後処理時間の短縮
「Altius ONE for Support」標準機能として実装するLLMアプリ「対話要約アプリ」を使い、お客さまとオペレーターとの会話を音声認識でテキスト化した応対データを自動的に要約することにより、オペレーターが通話後に行う記録作業等の後処理にかける時間を35%削減することを目指す。応対履歴システムへの入力業務を効率化し、高い応答率を維持することで、顧客満足度向上に貢献する。
■VoCと顧客満足度の相関分析
「Altius ONE for Support」のデータ活用基盤上で、生成AIを活用して、応対データの構造化および品質に関連する特徴量抽出のうえ、顧客満足度との相関分析を行う。アルティウスリンクにおける長年のコンタクトセンター運営の知見をもとに顧客満足度と相関があるデータを選定し、そのデータを基にPDCAサイクルを回すことで、オペレーターの応対で顧客満足度に真に影響を与える要因を特定する。
また、この分析結果を活用することで、応対品質の数値化・可視化による評価の自動化にもつながり、データに基づくオペレーター指導の強化が可能となる。さらに、管理者による各オペレーターの応対品質チェックにかかる工数を削減し、削減した工数を育成時間に充てることで、効率的な応対品質の向上も図る。
■VoCからの商品・サービス改善要望抽出
音声認識でテキスト化された応対データから、生成AIを活用してお客さまの潜在的なニーズを掘り起こす。契約内容やオプション、手続き、サポート体制等に関する意見や要望と思われるキーワードを抽出・分類し、分析することで、商品・サービスのさらなる改善を図り、CX向上を目指す。
検証結果を踏まえ、実業務での導入を目指すとともに、お客さま満足度を予測する「予測モデル」の構築をはじめ、生成AIの利用範囲をさらに広げるための検証を進める予定である。
今後もSBI損保とアルティウスリンクは、生成AIの活用を通じてお客さまにより付加価値の高いサービスを提供し、CX向上に繋げていく。
※「Altius ONE for Support」は、アルティウスリンクが提供する高品質なオペレーションに加え、クラウドベースのデジタルコンタクトセンター機能を統合したソリューションである。音声認識エンジン、クラウドデータ基盤、生成AIを活用し、多様なデータをデジタルプラットフォーム上で統合・分類・分析することで、顧客のインサイトやニーズを把握できる。データドリブンによる企業の課題解決をワンストップで提供し、新たな顧客体験の創出を実現する。