日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、日本郵政グループにおける非公開金融情報の適切な取り扱いの確保に向けた取組を実施
日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行およびかんぽ生命は、郵便局において、事前にお客さまのクロスセル同意をがないまま、お客さまの貯金等の非公開金融情報を用いて、保険募集を目的とした来局案内を行った事例を確認したことについて、本年9月27日に公表した。これについて、日本郵政グループでは本事案の実態を正確に把握するための調査を実施し、その結果も踏まえ再発を防止するための対策等を策定した。
日本郵政グループは、策定した再発防止策を徹底するとともに、グループ総力を結集し、お客さま本位のサービス提供に努めていく。
1 調査結果等
(1)調査結果
日本郵便がお客さまの貯金の非公開金融情報を事前に同意を得ることなく利用して保険募集のためにリスト化したと推定できるお客さまの人数について、貯金情報をもとにお客さまを検索・リスト化する機能を有する貯金営業担当顧客システムの検索履歴等を一定の条件の下確認した結果、約155万人※と判明している。
事前の同意のないお客さまにクロスセルを目的とした来局案内を行った事案は、2007年10月の民営・分社化以降発生していたと考えられるが、上記のお客さまの人数は、貯金営業担当顧客システムが全国の郵便局で導入された2014年2月以降のデータ履歴を確認した結果の数字である。
※クロスセルに関する同意をもらった年月日を貯金営業担当顧客システム上確認できないため、リスト化の時点で事前の同意をもらっていた可能性があるお客さまも、同意を得ていなかったものとして算出している。
また、顧客リスト等に「不適切な来局誘致」である蓋然性が高い保険募集に係る用語を含んでいる事例を抽出している(イベントの名称を含んでいる件数を抽出することも可能であるが、その用途としては、貯金を目的としたイベントである可能性も十分にある等、具体的な用途までは把握することができないため、今回の抽出対象外としている)。
なお、その他のシステムについても、履歴がない等の理由により確認できないものである。
2 非公開金融情報の不適切な利用の再発防止策等
(1)郵便局における不適切な非公開金融情報等の利用禁止の徹底
(2)貯金情報をもとに、お客さまを検索・リスト化する機能を有するシステム(以下「貯金営業担当顧客システム等」)の改修等
(3)郵便局における来局誘致方法の見直し
(4)ルールの明確化および社員研修の充実
(5)モニタリングの強化
(6)クロスセル同意の取得の促進と同意を得た非公開金融情報等を活用するシステム環境整備
(7)本社の役員等の責任の明確化
(注)クロスセル:お客さま(法人を含む。)の非公開金融情報等を利用して、
・利用した情報が属する業務とは異なる業務の金融商品
・利用した情報を保有する会社とは異なる会社(委託元会社または商品供給会社)の金融商品のいずれかまたは双方を案内・提案すること