住友生命、営業職員育成の変革に向けたAIロールプレイングシステム導入
住友生命は、2021年8月よりCVCファンド「SUMISEI INNOVATION FUND」から出資する株式会社エクサウィザーズ(以下「エクサウィザーズ」)と共同で、AIを活用した営業職員体制の進化プロジェクトを開始し、お客さまに提供する価値向上、業務運営の高度化、営業職員の活動・教育・働きがいの向上等様々な検討を進めてきた。
その一環としてAIを活用した営業職員のロールプレイングシステム(以下「本システム」)を4月25日より新人層の営業職員を対象に運用開始する。
本システムでは、営業職員一人ひとりがお客さま対応に必要な標準的話法をトレーニングし、身につけることができるようになり、営業活動の質の向上、ひいては育成に変革を起こす。住友生命は営業職員の入社5年後在籍率40%を実現し、お客さま一人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイングに貢献し続ける営業職員体制を構築していく。
1.導入の背景・概要
「住友生命グループVision2030」では、2030年時点のありたい姿を「ウェルビーイングに貢献する『なくてはならない保険会社グループ』」とし、保険を通じて全国のお客さまへ安心をお届けすることに留まらず、健康増進やウェルビーイングサービスの提供を行っている。こうしたサービス等の提供にあたっては、お客さまのニーズや課題等に寄り添うことが重要であり、それらのニーズ等に応じたコンサルティングを実施するためのスキル習得が求められる。
これまでもスキル習得のためのロールプレイング(以下「ロープレ」)を実施してきたが、トレーニング時間やロープレ相手の確保、上司の指導スキルが均質でないこと等の課題から、新人のスキル習得度合いには格差が生じていた。
本システムでは、お客さま役を担うAIアバターとロープレを実施し、お客さまに伝えるべき情報を適切な順序で話せているか等をAIが評価することで、職員単独でトレーニングが可能となる。
本システムの活用を通じて、営業活動のレベルアップ・更なる効率化を図り、お客さまの課題やニーズに寄り添ったコンサルティングを実施していく。
・社会保障制度に関する情報提供など、営業職員自身の習熟度・苦手分野等に応じて効率的なトレーニングが可能。
・「AI」による内容の正確性や禁止語句の有無などに対する評価を実施。
・録画されたロープレ映像で表情や話し方を客観的に確認することが可能。
・上司が映像を確認することで、習熟度や足りない部分を把握し、フィードバックを通じて、スキルアップにつなげるアドバイスも可能。
3.目指す姿
健康増進型保険“住友生命「Vitality」”は2018年7月の発売以降加入者が増加を続けており、2023年4月には「Vitalityスマート」、さらに2024年6月より「Vitality福利厚生タイプ」の販売開始等と、お客さま接点がますます拡大している。一人でも多くのお客さまにウェルビーイング価値を届けることに引き続き取り組むとともに、一人ひとりのウェルビーイングを高めるべく、これまで以上に営業職員のスキル向上を目指していく。
その実現に向けて、多様化するお客さまニーズに対応できるよう、本システムの更なる高度化を図り生成AI技術を活用し、臨機応変な会話をトレーニングできるシステムへと発展させていくとともに、先に運用を開始しているAIを活用した顧客情報管理システム「いくなび」に蓄積されているお客さま情報と連動させ、営業活動前の事前シミュレーションによる顧客対応力の向上を目指していく。これら「人とデジタルの価値を融合」することで営業活動の質を向上させていき、「人の価値」を一層高め、より必要とされる営業職員へと進化させていく。その結果として営業職員の入社5年後在籍率40%を達成し、お客さまのウェルビーイングに貢献するサステナブルな営業職員体制を構築していく。