第一生命、愛知県が発行する水害・地震対策を資金使途とする債券に投資
第一生命は、愛知県が発行する水害対策、地震対策に資金使途を限定する債券(総額50億円)の全額を購入した。なお、水害対策、地震対策に資金使途を限定した債券の発行は日本初となる。
愛知県は、第5次愛知県環境基本計画に基づいて、環境問題に対する取組みを進めるとともに、第3次あいち地震対策アクションプランに基づいて、防災対策の強化を進めている。 今回の債券発行は、資金を調達する愛知県と機関投資家である同社の知見を融合し実現したものであり、具体的には愛知県が発行する水害対策に資金使途を限定するグリーンボンド※1と、地震対策に資金使途を限定する債券(各25億円)に投資を実施した。
日本における大雨の年間発生回数が増加する中、愛知県の管理河川は59水系・284河川・総延長1,824kmにのぼり、これらの洪水想定氾濫区域は県土の約2割を占める。同氾濫区域内には220万人以上の人々が住み、48兆円を超える資産を有している。本グリーンボンドにより調達された資金は、急激な気候変動への適応策の一環として河川海岸整備等に充当され、河道掘削や護岸改修など流下能力の不足している河川の整備を進めることで、水害対策の強化を図る。
また、2025年1月には南海トラフ地震の30年以内発生確率が80%程度に引き上げられる中、愛知県では広範囲で震度6弱以上になると予想されており、大規模地震への対策が求められる状況である。本債券により調達された資金は、大規模地震への対策として愛知県基幹的広域防災拠点の整備等に充当され、災害発生時に人員や物資を受け入れ可能なベースキャンプ機能を確保し、県内全域に必要な災害応急活動を展開できる機能を整備することで、地震対策の強化を図る。
同社は本投資を通じ、安定的な投資収益を期待するとともに、愛知県による気候変動への適応や大規模地震への備えといった防災対策の強化に向けた取組みを資金面からサポートし、その進捗状況を継続的にモニタリングしていく。今後も引き続き運用手法の高度化・多様化によって資産運用収益の向上を図るとともに、責任ある機関投資家として持続可能な社会の形成に寄与すべく積極的に取り組んでいく。
※1 本グリーンボンドは、株式会社格付投資情報センター(R&I)より、国際資本市場協会(ICMA)が公表している「グリーンボンド原則2021」と、環境省が定義する「グリーンボンドガイドライン2022年版」との適合性等について、第三者意見を取得している。
【本債券の概要】
発行体 愛知県(R&I格付:AA+、S&P格付:A+)
発行額 総額50億円(水害対策グリーンボンド:25億円、地震対策資金使途:25億円)
同社投資額 総額50憶円(水害対策グリーンボンド:25億円、地震対策資金使途:25億円)
償還期間 11年